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社内のベストメンバー(社長公認)が集結したアニプレックスの新サービス「Viewcast」が映像業界にイノベーションを巻き起こす!

2016.03.30

 このサービスの開発のきっかけを高橋氏は次のように語る。

「昨今、映像作品の市場規模が下がっているのが現状です。私を含め、メーカーの人間はどうしようかと考えているが、嘆いていても始まりません。どうすれば、もっと多くの人に楽しんでもらうことができるだろうと考えて開発しました」

 さらに高橋氏自身も「自分でも買ったパッケージを、あまり見る機会がなかった」ことが開発の原点だという。自身がアニメプロデューサーなのに、忙しくて購入した作品=自分が見たい時間が取れない、それを解決する方法を考えたい。その想いには、何度も首を縦に振って納得してしまう。

 そのために社内から集められたメンバーは高橋氏を含めて5人。

 招集にあたって、高橋氏は部署をまたぐ開発が用件と考え、各々別の部署から、かつそれぞれの形でファンに触れている社員を選んだ。

 だが、その際にもっとも重要な基準は「簡単に言うと、優秀だから」だという。なるほど、一企業どころか映像業界全体に視聴のイノベーションを起こす可能性を持ったサービス。ゆえに、集められたのもアニプレックス社員の中でも最優秀のベストメンバーなのか? 質疑応答でその点を質問してみると、会場で様子を見守っていたアニプレックスの植田益朗社長から「その通りです!」の声が。

 これまで、幾度かの取材で高橋氏が常にファンの目線で考える人物であることは知っていた。そして、植田氏の絶妙な一言は、それが社内の多くの人々に共有されているのだと知ることができる瞬間であった。

 Viewcastは、3月30日発売の『心が叫びたがっているんだ。』完全生産限定版Blu-ray&DVDからサービスの提供開始。6月発売予定の『暦物語』でも提供することが決まっている。

 どこでも、動画本編のみならず、各種の資料や音楽までもが視聴できるという状況が生まれることによって、どんな変化が生まれるのか、見守りたい。
(文=ルポライター/昼間たかし http://t-hiruma.jp/)

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