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アートワーク500点を展示! 「ピクサー・スタジオ」30年の歴史は才能の結集だ

2016.03.11

■作品ごとにアニメーション制作の裏側をすべて見せる
『トイ・ストーリー』から最新作『アーロと少年』(3月12日公開)まで、作品ごとに全部で500のアートワークが展示されている。ピクサーのアーティストたちが、制作する上で描き続けてきたスケッチやストーリーボード、キャラクターができるまでのメイキングを、すべてヴィジュアルで見せていくのだ。ピクサーはデジタルアニメーションのイメージが強いが、アナログ方式で手描きのイラストも資料として多数残されており、それらも数多く展示されている。アーティストごとにタッチが違ったり、キャラクターが完成形へと進化したりするプロセスがわかるのもいい。脚本の展示まであり、改めてピクサーにはすごい才能が結集しているというのがわかる。 

 ひとつの作品のスタッフとして小さな仕事に関わったアニメーターが、その力を認められて監督になっていくのがピクサー。『インサイド・ヘッド』で第88回(2015年度)アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞したピート・ドクター監督は『トイ・ストーリー』の原案を担当していた。そしてドクター監督の『モンスターズ・インク』で魚のアニメーションを担当していたロニー・デル・カルメンは、『インサイド・ヘッド』では共同監督として作品に携わっている。

 今回、「ピクサー展」で数々のスケッチやイラストを見ていたら、作者の表記にピーター・ソーンという名前をいくつか見つけた。ソーンはディズニー/ピクサーの新作『アーロと少年』の監督だ。ヒット作が生まれると、ヒットメイカーは売れっ子になり、その才能に頼ってしまいがちだが、ピクサーは多くのアーティストにチャンスがある。いい仕事をして結果を残せば、チャンスは巡ってくることを前述の監督たちが証明している。

 ずっと御大ジョン・ラセターばかりが監督をしていたら、今のピクサーはなかっただろう。「ピクサー展」には未来のアニメーション界の名匠や名プロデューサーになりうるアーティストたちの作品がズラリ揃っている。

(C)Disney/Pixar

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