「でんぱ組.incの知名度が上がってうれしいけど…」 初のアーティストブックを発売したでんぱ組.incが語った心境とは?

2015.02.20

『DEMPA la mode でんぱ組.inc visual artist book』(祥伝社)を発売したでんぱ組.inc。

 2月11・12日の二日間、国立代々木競技場第一体育館で開催されたワンマンライブ『でんぱーりーナイト de パーリー』で満員御礼の大成功を収め、2月末からスタートする全国ホールツアーは早くもソールドアウト続出と、2015年も破竹の勢いで突き進むでんぱ組.inc。先日、ヲタクアイドルの大先輩とも言うべき中川翔子とのコラボユニット「しょこたん♥でんぱ組」の結成を発表。同ユニットで「W.W.D」や「ちゅるりちゅるりら」などでんぱ組.incの名曲を数多く生み出したヒャダインこと前山田健一が作詞作曲を担当したシングル「PUNCH LINE!」を4月29日にリリースするなど話題性にも事欠かない。

 2月18日には待望のサードアルバム『WWDD』をリリースしたが、その同日に初めてのビジュアルアーティストブックとなる『DEMPA la mode でんぱ組.inc visual artist book』(祥伝社)を発刊した。本書は30ページ超えとなる撮り下ろしビジュアルページを中心に、女性ファッション誌『Zipper』の人気連載「Depper」を再構成して収録。さらに新録インタビューや未公開カットなども盛り込んだファンならずとも興味深い内容になっている。

 発売日翌日の19日、彼女たちのホームグラウンド「ディアステージ」もある秋葉原の「有隣堂ヨドバシAKIBA店」で、出版記念の囲み取材が行われた。まさしく女性ファッション誌から飛び出したかのようにメンバーカラーを基調にしたカラフルな衣装で登場した6人。お硬い本からコミックまであふれんばかりの本をバックにしても違和感なくハマるのは、やはりメンバー全員がオタクである所以か? 笑顔いっぱいのフォトセッションの後、囲み取材に突入したので、それぞれの発言を紹介しよう。

――『DEMPA la mode でんぱ組.inc visual artist book』の見どころをそれぞれ教えてください。

藤咲彩音 『DENPA’s KEYWORD A to Z』というコーナーがあって、AからZまで26個のキーワードについてメンバーが答えるんです。普段のインタビューだと、あんまり訊かれないような質問が多くて、みんなの脳内を覗いたような答えばかりで面白いです!

古川未鈴 ねむちゃん(夢眠ねむ)と私でお互いの似顔絵を描くコーナーがあって。ねむちゃんは美術家さんだから上手いんですけど、私は絵を描くのが苦手なんです。二人の腕前の違いを見てください(笑)。

最上もが ねむちゃんだったらお寿司だったり、未鈴ちゃんだったらゲームだったり、メンバーそれぞれが自分の好きなことを語っているコーナーがあって。僕は音楽のことを語っているんですけど、自分にとって必要なものを、たくさん書いてあるので、もっとでんぱ組.incのことを知ってもらえるかなと思います。

夢眠ねむ ピンキー(藤咲彩音)ちゃんと一緒に撮っている浴衣の写真がお気に入りのカットなんですけど、ほかにもメンバー6人、いろいろな組み合わせで写真を撮っていて。その組み合わせでガラッと雰囲気も変わるので、ぜひ注目してください。

成瀬瑛美 私自身、この本全体から漂うときめき、キラメキ感にやられっぱなしなんですけど(笑)。その中でもお気に入りなのが連載中にもあったみんなでバンドを組むってページです。でんぱ組.incでバンドを組めたら楽しいだろうなって要望を叶えてくださったページなので、いつも見返しているし、拡大コピーして部屋に貼りたいぐらいです!

相沢梨紗 メンバーの手書きの文字やイラストがたくさん載っているんですよ。たとえばメンバーそれぞれのチェキに別のメンバーがコメントを書いているんですけど、それぞれのキャラクターが出ていて面白いんですよね。そこには私たちの素の部分も出ています。ビジュアルアーティストブックなので、ちょっとおめかしして頑張っている部分もあって、盛りだくさんの内容なので丸ごと楽しんでください!

最上もがと古川未鈴。

 また、撮影裏話を聞かれると古川未鈴が「撮り下ろしビジュアルページで、6人それぞれ食べ物や飲み物をモチーフにした大きな飾りを頭に乗せて外で撮影したんです。でも、この日は頭が飛んでっちゃいそうなぐらい強風で。しかも場所がプールだったので、落ちたらどうしようってヒヤヒヤしてました(笑)」と当時のエピソードを明かした。

 また、海外でライブをする機会も増えて、ますますワールドワイドな活動が期待されるでんぱ組.inc。海外進出について訊かれると、古川はこう答えた。

「でんぱ組.incを知ってくださる方が増えているのはすごくうれしいんですけど、私たちの生活って根本的なものは何も変わってなくて、今でも私は一人でゲーセンに行ってるし(笑)。みんなもそれぞれヲタ活に励んでいるんですよ。いつまでもこんなネクラじゃいけないし、私自身、もっとみんなを引っ張れるように明るさを出していきたいんですけどね……」

 だが、そのネガティブさこそ彼女の大きな魅力であることも事実。激変する状況に惑わされることなく、立ち位置がぶれないからこそ、彼女たちは新規だけではなく古参ファンにも愛され続けるのだ。その一方で成瀬は「明るく楽しく日本だけではなく世界を元気にできたらいいなって思います!」と意気込む。

 短い時間でも、きっちりと“らしさ”を見せるメンバーたち。あまりにも異なるキャラクターの融合こそが、でんぱ組.incという個性的な集合体と実感したのだった。

 なお、会場となった有隣堂ヨドバシAKIBA店では、3月1日までアイドル専門書店『アイドルBOOKS×でんぱ組.inc』を期間限定オープン。メンバーが選んだ個性的な本の展示などが行われているので、でんぱ組.incの意外な一面も覗けるかも!?
(取材・文=猪口貴裕/写真=石川真魚)

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