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「乙女ゲームは、少女マンガの延長なんです」“疑似恋愛”ではない、乙女ゲーム消費のリアル【後編】

2014.04.12

――お2人の周りにも乙女ゲーム・ユーザーはいらっしゃいますか?

カナ ケータイの無料ゲームは、やっている人が多いですね。ハードはいないですけど、女子なら一度は興味を持ったことがあるんじゃないかな? CMで大々的に紹介されていますし、男性がギャルゲーに感じるようなハードルの高さは感じていないと思います。

ナツキ ハードで乙女ゲームをやってる人は私くらいですけど、無料サイトのゲームをやっている人は多いですね。さらりと読めるし、ゲームというより少女マンガの感覚なんですよ。ただ、私の会社の子たちは、女子力MAXの「The女子」といった感じの女の子ばっかりで、ゲームやマンガから一切離れている人が多い。彼女たちとはゲームの話をしませんが、もしかしたら乙女ゲームの存在すら知らないかもしれません。

■乙女ゲームはオタクのものではない?

――もはや乙女ゲームはオタクのものではないということでいいんですかね。お2人は自分をオタクだと思いますか?

カナ オタクではない……かな? コミケとかでコスプレするのが好きなので、「オタクじゃない!」って否定する気もないですが、あくまで“にわかファン”だと思っています。だってオタクの人ってもっと専門的だったりして、知識とかもすごいじゃないですか。私ごときをオタクなんて言ったら、オタクの人に失礼な気がします。

ナツキ どうなんだろう……。オタクと言われてみればそうなのかもしれないですけど、特に意識していません。サブカルだけを突き詰めているわけではなく、色々やっている趣味の一つが乙女ゲームってだけの感覚です。でも、友達にはオタクだと思われていて、誕生日に乙女ゲームのキャラがプリントされた「添い寝シーツ」をもらったことがあります。ガチに抱きついて寝たりはしませんけど、部屋に飾ってありますよ(笑)

カナ それに、オタクっていうと、昔は隠したがる傾向があったけれど、しょこたん(中川翔子)やAKB48が出てきたあたりから垣根がなくなったように感じがします。

ナツキ そうそう。「ライトなオタク」みたいな人が増えて、マンガやゲームが好きならイコール“オタク”って認識は薄れているんじゃないかな。

――“乙女ゲーム=オタク”ではなく、数ある趣味のひとつということですね。本日は色々お話しいただき、ありがとうございました!


 

 今回、お話を聞かせていただいて、同じ趣味を持っていながら“オタク”と“リア充”にタイプが分かれる理由は「二次元と三次元の区別がきちんとついているかどうか」ではないかと感じました。「乙女ゲームに疑似恋愛を求めていない」という言葉からも、彼女たちにとってゲームやマンガ、コスプレなどはあくまでも作られた世界なのでしょう。初めから二次元と三次元は“別もの”。だからこそ三次元で充実した毎日を送りながら、二次元をギャップとして楽しめている。そんな印象を受けました。

 また、「面白かった乙女ゲームはツイッターやフェイスブックに載せて、友達みんなで情報シェア」「乙女ゲームは話のネタ」といったオープンな意見には目から鱗! 「乙女ゲームは少女マンガの延長」という意見には、筆者も激しく同意です。

 まだまだ継続的に乙女ゲームをプレイしている人は少ない印象ですが、ケータイゲームやネットゲームの女性ユーザーは急上昇しています。今後は、CMなど企業の働きかけにより、興味を持つユーザーが増えていくことでしょう。

 カナさん、ナツキさん、貴重なお話ありがとうございました!
(取材・構成/牧野絵美)

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