【新連載】今日もオタクはテレビを見む【第1回】

女の子は美人すぎす可愛すぎず…!?“青春”と“SF” ラノベの源流を実写化した『なぞの転校生』

2014.03.25

 僕は小さな頃からテレビっ子で、子供時代「テレビランド」(徳間書店)や「テレビマガジン」(講談社)を読みながら「こういう本で怪人や機械獣の記事を書きてえなぁ~!」と真剣に思っていたのですが、いつの間にか本当にそういうのを書く大人になってしまいました。今でも仕事として見続けている作品以外にも、個人的嗜好でのテレビの視聴時間はかなり長いほうだと思います。

 そんなこんなで今回「おたぽる」上で、オタクの皆さんにとって、アニメ以外で興味を惹かれるようなテレビ番組に関する話題(ドラマ・映画・バラエティその他諸々……)を紹介させていただく連載を始めることになりました。第1回として、現在テレビ東京系で毎週金曜深夜0時12分から放送中のドラマ24『なぞの転校生』を取り上げさせてもらいます。

■『なぞの転校生』

「テレビ東京」内なぞの転校生公式HPより。

 このドラマ、原作はもう47年も前に書かれた小説なんですが、読んだことがない人でもなんとなく聞いたことあるな……? って感じがするはずです。ここに『なぞの転校生』と同じ著者・眉村卓の『ねらわれた学園』、筒井康隆の『時をかける少女』を加えてみると、ぐっと知名度が上がって、知ってる、見たことある! と思うのではないでしょうか?

 これらの原作は1960年代末~70年代前半に書かれたジュブナイル小説(若者向けエンタメ小説)ですが、発表以来何度もテレビドラマ化、映画化、最近ではアニメ映画化されることで、その都度知名度が上がっています。むしろ小説よりも映像化作品で名前が知られている部分があると思います。アニメ映画化としては『時をかける少女』が06年の夏に細田守監督・マッドハウス制作で公開。『ねらわれた学園』は12年の秋に中村亮介監督・サンライズ制作で公開。『時かけ』のほうはすでに“見たらキュンとする定番アニメ”の一本になりつつありますね。

 この作品に共通するのは「主人公が中高生」であり、「舞台は学校及び主人公らの住む街周辺限定」で「異界からの来訪者によって世界が変革するような大事件が起きかける」のだけど、「主人公らの活躍によって誰にも知られることなく事件は解決し日常へと回帰する」……というプロットです。このシンプルかつエバーグリーンなプロットこそが、時代を越えて何度も繰り返し映像化されてきた理由だと言えるでしょう。

 日本的な青春物にSF要素を絡めた作品の作りが、実はライトノベルの源流の一つとなっているのでは……? という考察もあるのですが、このへんはまた別の機会に。

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