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マイクロソフトやGMOなど、大手IT企業はなぜコミケに参加するのか!? C85出展企業が語るその理由

2014.03.18

■IT4社が語る、コミケ出展に期待する効果

日本マイクロソフトの戸倉彩さんもプレゼン。

 C85においては3回目となる企業ブース出展となった日本マイクロソフトは、この日ディスカッションを行った4社の中でも特にコミケ慣れした存在。登壇したテクニカルエバンジェリストの戸倉彩さんはこちらの記事(参照)でも取り上げた通り、クラウディアさんのコスプレをしながらWindows Azureを啓蒙している。日本マイクロソフトはコミケのWebカタログやコスプレコミュニティの開発に関わるなど、コミケとは切っても切れない関係。しかし一般の私達から見れば、大手IT企業とコミケという組み合わせはまだまだ奇妙に思える。

 コミケ出展にあたり、初期には社内でも軋轢が生じていたという日本マイクロソフト。しかし3度目の出展ともなると、社内の理解も広まり、広報部以外にもOEMやDPE(Developer and Platform Evangelism)、営業チームなど実に様々な部署がコミケ出展に関わった。「コミケではキャラクターコミュニケーションを活かしたマーケティングができる」と戸倉さん。ブースではタブレットPCなど高額なキャラクターグッズも飛ぶように売れたほか、製品のデモンストレーションやアンケート調査も実施。大成功を収めたという。

 一方、「すべての人にインターネット」を企業理念に掲げ、数々のインターネットサービスを提供するGMOインターネットは、C85において、ソーシャルアプリ専用クラウドサービス「GMOアプリクラウド」の公式キャラクター・美雲あんず(CV:内田真礼)とVPS(バーチャルプライベートサーバー)サービス「ConoHa」の公式キャラクター・美雲このは(CV:上坂すみれ)が登場するアニメーションPVが収録されたDVDを無料配布した。

 このDVD制作にあたっては、内田さんと上坂さん2名の人気声優をはじめ、アニメーション制作にスタジオカラー、楽曲制作に「ハレ晴レユカイ」などで知られる田代智一氏、イメージイラストには「カゲロウプロジェクト」にも深く関わるしづ氏など、豪華すぎる面々が集められた。もちろん、完成した作品は期待以上のクオリティ。3日間のコミケ期間中、1日5,000枚が各日正午には配布終了した。

 ただしGMOブースでは、無料配布やアンケート集計といった活動は実施したものの、日本マイクロソフトのような物販は一切行っていない。つまり予算はかかるが入ってくるものはゼロという状況。この様に自社キャラクターを運用していくのは一見無駄なことにも見えがちだ。

 そんななか、GMOのパネリスト・加藤由香子さんは「キャラクター認知度の向上は、“顧客であること”の充実感を確実に向上させる」と語る。

 コミケ出展後、あんずとこのはの公式Twitterのフォロワーは約1,000人増。キャラクター認知度は確実に向上したが、それが“顧客であること”の充実感の向上に結びついたのかは、まだなんとも言えないところだろう。しかし、加藤さんは手応えを感じた様子。「C86にも出展したい」と意欲を見せていた。

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