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ジブリも使った3DCGソフト「Softimage」が開発終了! ソフト開発をめぐり、覇権争いはどうなる!?

2014.03.14

 一方、2Dでアニメーションを制作するには、個人では先述のPremiereやAfter Effectsに加えて、85年に前身ソフトが誕生したDirectorも選択肢となっていた(当時DirectorはCD-ROMやDVDのオーサリングでのイメージが強かった)。90年代後半からは96年に誕生したFlashも新たに加わっている(参照)。After Effectsはアニメ業界では撮影や仕上げのイメージが強かったが、個人が2Dアニメーションで完パケる【編注:編集・撮影などを通じて、最終的な放送素材に仕上げる】には、Photoshopで描画した後は、After Effectsで合成・撮影作業をするのみで充分となっていた。

 こうした90年代において、映画では、95年のフルCG長編として初めて歴史に刻まれた『トイ・ストーリー』、97年の『もののけ姫』や『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』、99年の『スター・ウォーズ エピソード1』の公開などが話題になっていた。『もののけ姫』はSoftimageが使用されたことでも注目されていた。ちなみにSoftimageのトゥーンレンダリングを開発したのは『鉄コン筋クリート』などのマイケル・アリアス監督である(マイケル・アリアス監督はSoftimage社に一時期在籍して、Softimageの開発に参加していた)。

 Softimageは『千と千尋の神隠し』や『ハウルの動く城』などでも使用されている。ところが2000年代に入ってから、3DCGソフトは3ds MaxとMayaの2強となっていった(大学や専門学校など、教育現場でも同じ傾向が見られていた)。

 2000年代には、3ds Maxなどを開発しているオートデスク社が、05年にMayaなどを開発していたエイリアス社を買収したことや、同じく05年は、アドビ社がマクロメディア社を買収したことも業界では驚かれた。アドビ社はPhotoshop、Premiere、After Effectsなどを開発してきたが、マクロメディア社はDirectorやFlashなどの開発を行っていた会社である。一方で05年はNewTek社が、同社の開発する3DCGソフトLightWaveを、それまでの半額に近い価格に改訂したことでも話題となっていた。これにはこの時期Softimage、3ds Max、Mayaの一番安価なライセンスと価格が拮抗してきたことも挙げられる。

 その後オートデスク社は、08年にアビッド社からSoftimage社を買収し子会社化すると、主力ソフトを一挙に束ねる結果となった。また08年は、RETAS! Proなどを開発するセルシス社がRETAS! ProをRETAS STUDIOに改称し、価格も従来のほぼ10分の1に改訂したことで驚かれた。それまで専門学校での導入が主であったが、これにより大学でも導入が進んだ。

 このほか、00年代の作品関連では、02年からの『スキージャンプ・ペア』、05年からの『The World of GOLDEN EGGS』、06年からの『ウサビッチ』、09年からの『Peeping Life』とCGによるショートアニメのヒットも目立った。また現在アニメ業界でセルルックを牽引しているCGスタジオのサンジゲンは06年に設立されている。

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