ジブリも使った3DCGソフト「Softimage」が開発終了! ソフト開発をめぐり、覇権争いはどうなる!?

2014.03.14

AUTODESK社の「Softimage」のページより。

 3月5日に3DCGソフトを開発するオートデスク社が、同社のSoftimageの開発を終了すると発表したことで、CG業界関係者の間に動揺が広がっている。これを機に、これまでの流れを周辺事象も絡めて略儀的に辿ってみたい。

 Softimageは1988年に誕生した3DCG制作ソフトで、これまで映画制作やゲーム開発など広範に利用され、3ds MaxやMaya、LightWaveと並ぶ4大3DCGソフトとして知られてきた。

 各業界がデジタル化に大きく移行を始めたのは90年代になる。90年には3ds MaxとPower Animator(現:Maya)、LightWaveが誕生している。一方、同じく90年には画像編集ソフトのPhotoshop、映像編集ソフトでは91年にPremiere、93年にAfter Effectsが誕生している。2Dでのアニメーション制作ソフトでは93年にRETAS! Pro(現:RETAS STUDIO)が誕生している。

 90年代中盤から後半は、「テライユキ」や「伊達杏子」などCG美少女ブームもあった。アニメーション制作においてはCGアニメコンテスト(89年開始)のほか、95年から学生CGコンテストが開始されるなど、クリエイター個人にも注目が集まり出していた時期であった。これは4大ソフトの中でも、LightWaveが30万円台と個人でも何とか手の届きやすい価格であったのも、後押しとなっていた。

 ただし、3DCGの発展については、アニメ業界界隈ではなく、ゲーム業界界隈の派生としての部分が大きい。プレイステーションなどのハードの進歩で、当時CGクリエイターらはゲーム業界から仕事をもらうことが多かった。『ジョジョの奇妙な冒険』のオープニングでアニメファンから関心を集めた制作スタジオ・神風動画が誕生したのもこの頃で、このほどアカデミー賞に『九十九』でノミネートされた森田修平監督は同社の初期メンバーとして活動していた。02年に『ほしのこえ』でブレークした新海誠監督も、ゲーム会社出身である。

編集部オススメ記事

注目のインタビュー記事

人気記事ランキング