「母親を否定されるのが一番気持ちいい」 『惡の華』の性表現に込められまくっていた押見修造のフェティシズム

2013.12.14

『惡の華』に込めたフェティシズムを解題していく作者の押見修造(写真中央)

「(女性から)自分の母親を否定されるのが一番気持ちいいです」

 会場のスクリーンに映ったマンガ『惡の華』の1コマについて、意気揚々とコメントする作者の押見修造。このシーンは、作品のヒロイン・仲村佐和が主人公・春日高男の肩に手を置きながら、行方不明の春日を探す母親をバカにしているところだ。

「母親を否定しながらボディタッチって、もう一番エロいです」

 12月6日、本屋B&Bで開催されたトークイベント「押見修造 個展 ~大人の惡の華は下北で咲く」のワンシーンだ。

 思春期に悩む少年少女に捧げる作品として「青春」について語られることが多かった『惡の華』(講談社)。今回のトークイベントではそんな同作の「大人の性表現」にスポットを当てて押見本人が解説していったのだが、冒頭で挙げたシーンをはじめ、押見の口から語られるのは予想外の性癖とこだわりばかり。

 もともと“思春期と性”がひとつのテーマになっており、「別冊少年マガジン」(同)という比較的若い読者向けの雑誌掲載作ながら、性描写が多めというのは『惡の華』の特徴のひとつだった。まさか母親を否定されるシーンに作者のフェティシズムが込められているとは、会場に詰めかけたファンにとっても驚きだっただろう。

 イベントで明かされた創作秘話は、そんな意外性のあるものばかり。

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