松任谷由実の伝説となった神業な早着替え ~ユーミン♪コスプ 第20回

2020.01.08

画像提供:Kazu Alfio

 ユーミンの実家が八王子の荒井呉服店なのは、広く知られていることだ。今回は お正月なので、着物についてお届けしたい。

 ユーミンが自身の松任谷由実コンサートツアーで、ステージコスチュームに着物を用いたことは幾度もあった。その中で観客が最も驚愕しであろうものは、「CONCERT TOUR 2011 Road Show(2011.4.15横須賀~11.11仙台)」だろう。

 1ポーズ目のマタドールコスチュームから、なんと15秒で画像の着物姿に早替えしたのだ。このパフォーマンスは筆者も鳥肌がたち、興奮したのを覚えている。

 もちろん、瞬間的に装着できるよう特殊に施された着物であることは想像できる。しかし着物姿の足元は、きちんと足袋で草履を履いているのだから驚きだった。

 ユーミンは、ステージ横の早替え部屋に入ることを「ピットインする」と呼んでいるのだが、明かされていない早替えの流れを想像するに、マタドール姿でステージ下手のピットインに飛び込んだユーミンのヒールを脱がせて、足袋を履かせ、草履を履かせ、 上着を脱がせて、特殊な着物を装着させ、合計15秒といったところだろう。次の曲「大連慕情」のイントロと共にマイクを持ち、ユーミンは再び下手か ら登場して歌い出す。神業としか言えないのだ。

 私が思うに、ヘアメイクを直す時間などないからヘア装飾品は、マタドールの衣装の時から色合わせに違和感のない、紫色の花の髪飾をそのまま流用しているのだろう。マタドールの上着は脱がせられても、ピッタリしたマタドールパンツは脱ぐ時間が足りないから、下はマタドールパンツスタイルのまま着物を装着しているとしか考えれない。何せたったの15秒なのだから。

 しかし足元に足袋で草履を履いているのが、とにかく凄すぎだ。伝説の着物姿15秒早替えが、今でもファンの間では語り草になっている。
(文=Kazu Alfio)

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