今年の『NHK紅白歌合戦』、最大のサプライズはAKB48の出場?

2019.12.05

AKB48 公式サイトより

 大みそか恒例の『NHK紅白歌合戦』の出場歌手が発表された。第70回となる今回は、紅白合わせて41組が出場。初出場は紅組が日向坂46、Foorin、LiSAの3組、白組はOfficial髭男dism、Kis-My-Ft2、King Gnu、GENERATIONS、菅田将暉の5組となる。

「初出場組はいずれも順当で、目立ったサプライズはありませんでした。そもそも最近は、話題になるのは出場歌手よりも特別企画のほうですからね。それよりも落選必至と見られていたAKB48の出場が決まったことのほうが、世の中的には話題になったようですね。メンバーたちもTwitterなどで感慨深げに喜びの言葉を綴っていたのが印象的でした」(芸能記者)

 いまやグループアイドルの頂点の座を公式ライバルの乃木坂46に取って代わられた感のあるAKBだが、今年は48グループにとって激動の年だった。今年1月、NGT48のメンバーだった山口真帆がファンに暴行を受けた事件が発覚。その後、グループの運営会社・AKSによる、事件の隠蔽を窺わせる杜撰な対応にも批判が集まった。

「世間からの信用を大きく失った形になり、今年は坂道シリーズだけで、48グループの出場はないと見る向きもあったほど。AKBは乃木坂よりもCD売上こそ上回っていますが、あれは特定の太客による大量買いが大きく影響していますからね」(同)

 そんなジリ貧のAKBを“NGT騒動”が襲ったのだから、紅白落選が取り沙汰されたのは致し方ないところ。NHK BSプレミアムで5年半にわたり、毎週放送されてきた冠番組『AKB48 SHOW!』が、今年3月末をもって放送終了となったことも、落選の臆測に拍車をかけた。

「紅白における“秋元(康)枠”は、昨年までの流れからみて3組が通例。そのため、乃木坂、欅坂46、日向坂が出場すれば枠が埋まってしまうなどと、まことしやかな話が流布しました。とはいえ、48グループも坂道シリーズも、全てはAKBがブレークしたからこそ人気を博してきたわけですから、本家のAKBが落選するなんてことは考えられない。結果、今年の紅白の秋元枠は4枠だったため、AKBも出場を決めました。しかし、人気の高さからも、その立場が逆転していることは確か。このままAKBの地盤沈下が進めば、来年は落選の憂き目に遭う可能性もないとは言い切れない状況です」(同)

 一方、乃木坂、欅坂、日向坂の3グループが紅白に揃い踏みする坂道シリーズは絶頂期を迎えていると言っていい。

「3期生、4期生ともにファンの間で人気も定着しつつある乃木坂は、懸案だった世代交代が上手くいきそうです。白石麻衣や生田絵梨花といった1期生の人気メンバーが卒業しても、ダメージは最小限に食い止められるでしょう。欅坂の2軍的扱いだった日向坂もいまや1軍の欅坂を追い落とす勢いで、紅白出場を機に、さらにステップアップするはずです。この2組は、しばらくは紅白の常連になると思います」(同)

 そんな中、坂道シリーズの唯一の死角と言えるのが欅坂46だ。絶対エース・平手友梨奈の“一強体制”がグループに悪影響をもたらしている。

「アイドル性という点でピカイチと評されていた長濱ねるが7月に卒業したほか、今泉佑唯や志田愛佳といった人気メンバーがグループを去っています。平手のイメージにとらわれすぎているので、アイドルとして仕事の幅が広がらないし、平手のペースに合わせるために活動も滞りがち。今年なんて、まだシングルを1枚しか出していないですからね。他のメンバーたちはフラストレーションを溜め込んでいて、グループ内の雰囲気も最悪だそうです。最近、マルタ共和国への留学が発覚した鈴本美愉も、帰国後の卒業が取り沙汰されており、このまま平手の一強が続くのであれば、グループが崩壊しかねない。来年の紅白はわからないですよ」(同)

 また、ここ最近の紅白の選考で注目を集めているのがK-POP枠。日韓関係が悪化の一途を辿る中、K-POPアーティストの出場がゼロと予想する声もあったが、TWICEが3年連続の出場を果たした。

「TWICEは昨年の紅白でやる気のない態度がSNSなどで批判されましたが、それでも歌手別視聴率では、全出演者の中で6番目に高い42.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という高い数字を記録しました。今回の出場は、日韓の政治状況をものともしない彼女たちの絶大な人気を物語っています」(同)

 一方、初出場の期待がかかった IZ*ONEは、残念ながら落選の憂き目に遭うことになった。グループが誕生した韓国のオーディション番組『PRODUCE48』で投票順位操作が行われていたという事実が発覚したことが、落選の大きな要因だとみられている(参照記事)。

「IZ*ONEには宮脇咲良、矢吹奈子(ともにHKT48)、本田仁美(AKB)の3人の日本人が在籍しており、K-POPグループであると同時に秋元さん絡みのグループでもあります。坂道シリーズ3組、AKBに加え、IZ*ONEまで出場となると、秋元さん関連のグループが5組となるので、いくらなんでも多すぎる。NHKの本音としては、坂道3組とIZ*ONEだったのでしょうが、秋元さんの手前、AKBを切るわけにはいかない。そんなときに番組の不祥事が発覚したため、IZ*ONE を切った。NHK的には都合がよかったのかもしれません」(同)

 いずれにせよ、今年の紅白選考の最大のサプライズは、AKBの出場だと言えそうだ。

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