ドラマ『まだ結婚できない男』第9話――不器用な男女のラブストーリー 桑野と有希江のデートの結末は?
2019.12.04
■桑野と有希江のデートの顛末
観劇後、有希江と桑野はもんじゃ焼きを食べに行く。このあたりは、前作での早坂先生(夏川結衣)とのお好み焼きを食べるシーンを彷彿させる。
ここでももちろん、桑野はうんちくを披露し、完璧な土手を作ってもんじゃを完成させようとする。しかし、有希江はその土手を壊し、流れ出した部分を食べるのがおいしいというのだ。
まるで“コロンブスの卵”の話のような展開である。同じように試してみた桑野も、そのおいしさに驚く。めずらしく、桑野が他の人に納得させられた瞬間だった。
その夜、仕事を終えた吉山は、有希江のカフェに様子を見に行く。「ひどい目に遭わなかった?」と心配する吉山だが、有希江は「楽しかった」と満足げだ。そして、吉山に言うのだ、「実は桑野さんのこと、気になってるんじゃない?」。
まったく、いい年をして、不器用な関係だと思う。もちろん、この場合の「いい年をして」は、純粋さを忘れていないという意味でのものである。
その頃、桑野はある案件を抱えていた。30年連れ添った妻と離婚し、一人で暮らす家を設計して欲しいという依頼だった。
しかし、その注文主であった木村(伊藤正之)は、別れた妻との間で訴訟が起こったので、設計を中断してほしいと言ってきたのだ。見せられた訴状にあった弁護士の名前は、他ならぬ吉山だった。
来週の最終回に向け、桑野と吉山が対決する構図となってきた。有希江も加わった恋の鞘当ても、どんな展開を見せるかの楽しみである。
そして今回は、いつもにもまして、前作とのつながりを感じさせるシーンがあった。病院でストレッチャーに乗せられ、運ばれていた桑野が、院長の良雄(尾美としのり)に「あの女医にだけは知らせるなよ!」と言う。当然、これは早坂先生のことだろう。以前と同じ病院にこそ務めていないが、何らかの繋がりはありそうな気配だ。
そして、桑野がいつものバーで飲んでいた時に、カウンターにおもちゃのスポーツカーが走ってきて、ライバル建築士の金田を思い出すというシーンもあった。最終回、もしかしたら、前作の出演者が、サプライズでの登場することがあるかもしれない。結婚できない男ファンとしては、要注目である。
(文=プレヤード)