『モンキーピーク』魔猿との壮絶な死闘…登山者へのトラウマを植え付けたホラー漫画堂々完結!

2019.10.23

『モンキーピーク』12巻より

 『週刊漫画ゴラク』(日本文芸社)で連載していた人気パニックホラー漫画『モンキーピーク』が完結し、最終巻がリリースされた。

 直前の11巻までは、元ラガーマン・安斎の歪んだ正義感からくる狂気が作品の緊張度を高めていたが、最終巻は魔猿との死闘がメインとなり、死闘の果てに何が待っていたのか、そして事件後までが描かれる。

 『モンキーピーク』の魅力は、登場人物のグロテスクな死に方や、残酷な猿たちの行いだけではない。もちろんそういったホラー的な側面も十分に魅力なのだが、注目すべきは過酷な環境下におけるヒューマンドラマだ。

 仲間たちがどう豹変していくのか、非力な者がどう強い力に立ち向かっていくか。人間の醜さ、汚さ、そして美しさ、強さが常に前面に出る。だから面白いのだ。最終巻でも魔猿との死闘や、結果的にラスボス化した安斎との決戦で、それらが色濃く提示された。

 魔猿がUMAだったのか、なんだったのかが最後まで分からなかったり、魔猿に扮していた人間たちが誰なのか分からなかったり、トオルと魔猿の関係性など、ぼんやりしていた面も多かったが、最終的には美しい着地を見せて物語は閉じた。

 新たな新章が始まるようなので、猿による惨劇はこれで終わらないらしい。次章はどういったものになるだろうか。絶賛展開中のスピンオフとも合わせて、今後も『モンキーピーク』に期待していきたい。
(文=Leoneko)

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