アニメ『グランベルム』声優・日笠陽子の凄まじさを改めて認識!アンナの鬼気迫るバトルで超絶神回!!

2019.08.20

TVアニメ『グランベルム』公式サイトより

 『Re:ゼロから始める異世界生活』の注目コンビが手掛けたオリジナルアニメ『グランベルム』第7話がオンエアされた。

episode.07 ミス・ルサンチマン

 アンナの母が何者かに襲われ入院したと聞いた新月は、彼女が入院している病院を訪れる。

 容態が芳しくないと聞いた新月は行方がわからないアンナを倒す決意をする。

 そして月が昇り、次の“グランベルム”が始まる。新月は、「フーゴの魔石」の凄まじい魔力に強化されたアンナに戦いを挑むのだった…。

 先週の衝撃の結末から続き、物語最大のクライマックスだったと言って過言がないくらいに、今週もアンナが凄かった。

 母に危害を加えてもなおフーゴの魔石の力を欲したアンナ。それを用い、新月を苦しめることだけを目的にグランベルムの日を待つ。最愛の母に危害を加え、妹に「もう全部どうでもいい、エルネスタが苦悶の表情を浮かべることだけが生きがいであり、自分の心はもうとっくに壊れてる」と言い残し彼女は戦いに赴く。

 戦いが始まってから、最後の瞬間までアンナの絶叫が続く。日笠陽子の演技が凄い。喉が心配になるほどの絶叫につぐ絶叫だ。この絶叫にアンナの憎しみがつまりにつまり、怖いくらいの迫力をもって新月を倒そうとする。しかし、初めからずっと言っていた通り新月は「あなたは私には勝てません」と今回も口にする。

 新月もいままでは誰かがアンナを倒してくれたらいいという気持ちを持っていたが、今回は真剣勝負。自分の力の持てる全てをもってアンナに向かうことを誓い、満月にも手出し無用と告げる。

 戦いに迫力がある一方で、彼女たちの心情は非常につらいものだ。新月は欲しくて得たわけではない力を持ってしまったことで、周りに憎まれたり勝手に憧れられたりと力ゆえに遠巻きにされている。それゆえ近しく自分を愛してくれる人を望んでいた。

 アンナは反対に家族に愛され、身分も恵まれているが力が足りなくそれを欲するがあまりに周囲の人をないがしろにしていく。この対極感。お互いが一番に欲しいものをお互いがもっているこの皮肉。それゆえに起こるこの悲しいバトル。お嬢様言葉だったアンナの「〇〇ですわ」というような語尾が、今回のバトルの中で崩れるシーンに鳥肌が立った。

 一度大打撃を受けて敗北が決定的になったアンナ。ボロボロになったアンナと会話をし、アンナも新月の強大な力に屈したかのような態度を見せ、握手を求めるようなそぶりをしたかと思ったら、手を掴んで卑怯な方法で新月を追い詰める。

 「こうでもしねーと勝てねーんだよぉぉぉぉぉ!!!!!!!」という叫び。絶叫。もう凄いしかいえない……。

 追い詰めて首を絞め、苦しむ新月の姿を見下ろしながら恍惚の表情でアンナは「エルネスタ、私いま幸せよ……。」とつぶやく。
 
 しかし、最終的には最後の力を振り絞った新月がアンアに勝利する。代償の大きすぎる勝利であった。アンナと新月、そしてクレアが三人ではしゃいでいるシーンのカットバックが挿し込まれるという悲しい演出が胸に響く。

 努力に努力を重ねて魔術を欲していたアンナ。何もしなくても強大な魔術を持つ新月。そんな新月にエルネスタの魔石を見つけて手渡したのが、他ならぬアンナであるという皮肉な思い出で、アンナのグランベルムの闘いは幕を下ろした。

 『グランベルム』でこれ以上の回ってあるのだろうかというくらいに濃く熱い回だった。残りのメンバーも魅力的ではあるが、初回からずっと推していたアンナの脱落は、本当に悲しい。
(文=三澤凛)

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