『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』の新ポスターは「かっこいい」けども「意識高すぎ」?

2017.03.01

『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』公式サイトより

 3月4日の公開を直前に控えた『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』。2月27日に、新たなイメージボードポスター6種類を公開。従来の『映画ドラえもん』シリーズのイメージを覆すようなメッセージ性の高いポスターとなっており、いろいろと話題になっているようだ。

 5人が手をつないで宙を舞っていたり、氷の下に沈む都市を5人が見つめているもの、なぜかドラえもんが2体いて、片方が意味ありげな笑みを浮かべているもの、離れ離れになるドラえもんとのび太、物語のキーアイテムとなるリングが海中に沈んでいく様子を描いたもの、そして凍結した地球を描いたもの――

 6種のポスターにはそれぞれ「10万年後に助けてくれ。」「氷は透明なタイムマシンなんだ。」などの意味深なキャッチもつけられており、ネット上では「ドラえもんの新作のポスターがイラスト&キャッチコピーともにかっこいい。かっこよすぎる。」「めっちゃいいよね、変に文字たくさん載せてキャラ大集合させるよりグッとくる」などといった賞賛する声が多く上がっていた。

 一方で、「意識高すぎぃ!」「『まんが祭り』感がほしいな」「ドラ泣き不可避やろなぁ」「グラフィックはすてきだけど、ドラえもんのポスターとしてはどうなの? と思わないでもない。客層を広げる意図があるならあり」といった声も。

 大人のファンももちろん多いが、今でもTVアニメや映画の公式サイトの一部では漢字にルビを振ったり、文章も平易なものになっていたりと、“子ども向け”の基本線を崩していないように見受けられる『ドラえもん』。今回のイメージボードポスターは格好いいが、意味深なキャッチも含めて少し大人向けすぎなのでは、と心配するファンもそれなりにいるようだ。

 だが、思えば1980年に公開された『のび太の恐竜』以来、『ドラえもん』は長編映画ではかなりシリアスな物語を描いてきた歴史がある。そのストーリーは子ども向けではあっても、決して子どもだましではなく大人も感動させてきたこと、そもそも5人とゲストキャラクターが顔を揃えたポスターが先行して発表されていることを考えれば、面白い試みといえるのではないだろうか。

 実際ネット上でも、イメージボードをポスターとして使用するというアイデア自体について、主要出演者の顔をデカデカと載せる洋画のポスターなどを引き合いに、「ドラえもんのポスターがここまでできるのに洋画宣伝は……」という声も一部にあるほど。

『映画ドラえもん』シリーズ通算第37作にして初の南極が舞台であり、05年に主要声優陣が交代してからは15年の『ドラえもん のび太の宇宙英雄記』以来2年ぶりのオリジナル作品となる『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』は、イメージボードポスターのクオリティに相応しい作品となっているのかどうか。

 本作で監督と脚本を務める、13年から『ドラえもん』絵コンテ・演出・脚本・原画を担当している高橋敦史をはじめとするクリエーター陣の頑張りと映画の出来に注目が集まりそうだ。

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