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『BEASTARS』動物擬人化マンガなのに重すぎる! 深すぎる! 面白すぎる!

2017.02.05

 動物擬人化作品では手塚治虫の『ジャングル大帝』や、CGアニメーション映画『マダガスカル』などでも、肉食獣が自分の肉食である本能に向き合うシーンがあった。だが、野生界が舞台の2作品に対し、『BEASTARS』はほぼ人間たちと同じように生活している中で本能と向き合うので、意味合いや重さはずいぶんと違う。

 また、絵柄も非常に特徴的で、動物たちはディズニー作品のようなほどデフォルメをされてなく、割とリアル。このタッチが物語を重厚で独創的な雰囲気にしてくれているような気も。だがリアルなのに、アカシカは凄くイケメンだし、女子高生のウサギはなんかエロいから不思議だ。

 リアルな動物の顔をしていながらもすごく人間らしく見えるのは、作者が美大出身ということで人体を描きなれ、しっかりと構造を理解しているために、キャラクターの動きや表情がとても自然で人間的だからなのかも。コマ割りもかなり凝っていてすごくおしゃれだが、これもハイセンスな美大生だからこそなせる技だと思ったりも。

 作者・板垣巴留のTwitter(@itaparu99)によると、板垣は大学生の頃から『BEASTARS』の前身となるマンガを描いていたようで、『BEASTARS』の連載前には『ビーストコンプレックス』というタイトルで「週刊少年チャンピオン」で集中連載をしていた。

 おそらく『BEASTARS』はずっと以前から構想があり、板垣が長年描きたかったものが描かれていくのだろう。今後いったいどんな展開を迎え、この動物たちの世界にどんな答えを用意しているのか。注目して見ていきたい。
(文・白子しろこ)

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