『イタズラくん』PTAには絶対見つかってほしくない!? 「コロコロコミック」の次期看板候補マンガ!

2017.01.30

『おぼっちゃまくん』(作:小林よしのり)などに始まり、平成世代にとっては『学級王ヤマザキ』『コロッケ!』(ともに作:樫本学ヴ)、『ポケットモンスター』(作:穴久保幸作)、『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』(作:こしたてつひろ)、『うちゅう人 田中太郎』(作:ながとしやすなり)、『絶体絶命でんぢゃらすじーさん』(作:曽山一寿)など、キッズ向けながら結構過激だったり、シュールだったりで、強いインパクトを残してきた歴代の「コロコロコミック」ギャグマンガたち。そして今、また新たな看板候補の作品が頭角を現しつつある。

 そのマンガが『別冊コロコロコミック』にて連載中の『やりすぎ!!! イタズラくん』(作:吉野あすみ)だ。2016年12月28日に単行本第1巻が発売されたばかりという新作。小学館の公式サイトでは「別冊コロコロに登場してすぐさま人気爆発!  次世代のコロコロを代表するギャグまんがです!」と記載されるなど、「コロコロコミック」の看板候補にしたい! という出版社の期待がうかがえる。

 さて、『やりすぎ!!! イタズラくん』がどんなマンガかというと、小学生男子の「イタズラくん」がさまざまなアイデアで先生などにイタズラをしかけていくというもの。イタズラの内容はボーリングの球に見せかけたビーチボールを投げて驚かせたり、血を吐いたと思ったらトマトジュースだったり、という初歩的なものから、スマホの音声や豆電球などを組み合わせて“かめはめ波”っぽいものを再現したり、地面に跳び箱の踏み台を入れて相手を飛ばしたりといった手の込んだものがある。

 イタズラに使った道具や方法が全て作中に記載されており、また身近な道具を使っているため、子どもならばきっと真似したくなるだろう。ギャグマンガとして読んでも楽しめるがイタズラのハウツー本としても十分に楽しめる。毎話違ったイタズラが数個仕掛けられるのは大人でも素直に関心してしまうかも。アイデアを出し続けるのがなかなか大変そうだ。

 設定からして既に面白いので、確かに将来コロコロの看板を背負ってもおかしくなさそう。ただ心配なのが、基本は先生など身の回りの人に“やりすぎ”なイタズラをして怒らせるといった内容だということ。人気がどんどん出た時にPTAに見つかり苦情を言われるような予感も。そして小学館はよくこんな時代にこのマンガを「コロコロ」に載せる英断をしたなと感心すらしてしまう。

YouTube「コロコロチャンネル」より

 またYouTubeの「コロコロチャンネル」には【イタズラくん爆笑ドッキリ】シリーズの動画も配信されており、お笑い芸人のあばれる君や、アイクぬわら、『おはスタ』(テレビ東京系)のおはガールにイタズラくんのようなドッキリをしかけている。シュークリームの中身がからし、ベイブレードを渡すとみせかけムカデのおもちゃを渡すといったドッキリは問題ないのだが、アイクぬわらに仕掛けたサランラップのいたずらが少し気になった。

 これはマンガ本編でもよく登場するいたずらで、イタズラの標的が勢いよく走ってきた先に実はサランラップが貼られていて、顔がラップにひっかかり潰れて面白い顔になるというもの。これを現実でぬわらに仕掛けたところ、ラップの中央が破けて、端っこだけが残り、若干首を絞めるような形になっていたのだ。これを危険だと感じる人は多かったのか、【イタズラくん爆笑ドッキリ】シリーズの動画でこの回だけが高評価と低評価の数が拮抗している。(他の動画は高評価が断然多い)

 まあ何はともあれ、いちいち真似されると危険だからなんて考えていたら、せっかくの面白いマンガが台無しになる。とりあえず問題になるまでは突っ走っていってほしいものだ。
(雑誌やマンガ作品に関して、言及のない限り、版元は小学館。文中、敬称略)
(文・白子しろこ)

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