アイドルの“物語”にスポットを当てた異色の番組『アイドリアル~アイドルの今を切り取る~』放送開始!
2017.01.18
2人目は「大阪☆春夏秋冬」のMAINA。「大阪☆春夏秋冬」は、2012年に大阪で結成。2015年の「TOKYO IDOL FESTIVAL」で話題となり、今では全国的にその名を知られる存在だ。
MAINAはそのリーダーであり、結成時からすべての曲でセンターを務めている。
彼女の武器は、幼い頃から続けていたダンスと、圧倒的な歌唱力だ。小さな体から生み出されるパワフルな歌声は、一瞬で見るものの心をつかむ。
一見クールで大人っぽい印象を受ける彼女たちだが、番組で映し出されたリハーサルでは、関西ノリで楽しげに話す様子なども紹介され、そのギャップがまた魅力的であった。
MAINAは歌手になったきっかけについて「自分がやりたいことを続けていただけ」と語る。そして「メンバー6人が仲が良いため、プレッシャーも感じず楽しく過ごせている」とも。
人が集まって何かをしようとすれば、意見の違いや、対立が生まれがちである。そんな中で、みんな仲がいいと言い切れることが、彼女たちの強さでもあろう。
2人の物語については、来週も引き続き放送される予定だ。
もともとこの番組のような手法は、かつての『ASAYAN』(テレビ東京系)が得意とし、主にハロプロ系のオーディションやアイドルの成長していく過程を見せていた。
現代はネットが発達したこともあり、ブログやTwitterを通して、自身の思いや状況を発信しやすくなったため、一時に比べればその文化は衰退したとも言える。
しかし、先にも書いたとおり、アイドルが持っている物語性をうまく伝える手段として、テレビのドキュメンタリーはまだまだ有効である。
興味を持ったからといって、みんながみんな過去の書き込みを調べるようなことをするわけではないだろうから。
そして、もう一つ重要なのは、アイドルの裏側を全て見せればよいというものでもない、ということだ。
野次馬的に、本人が隠したい部分まで映してしまうのは、番組としても、アイドル側にとっても得策ではない。何よりも“見せるべきところ”と“見せないところ”のさじ加減をわかった上で、番組を作っていくことが大事なのである。
近年はドラマなどの不振が伝えられるフジテレビであるが、もともと「アイドル」と「ドキュメンタリー」のコンテンツにおいては、良質なものを生み出してきた。
かつてのおニャン子クラブや、一昨年に活動終了したアイドリング!!!など、フジテレビ発のアイドルは数多いし、毎年夏に開催される同社主催による「TOKYO IDOL FESTIVAL」は世界最大級のアイドルフェスとして定着している。
また、ドキュメンタリーの分野では、水曜深夜に放送されている『NONFIX』、日曜昼の『ザ・ノンフィクション』といった番組で、一定の評価を得、どちらも長寿番組となっている。
今回の『アイドリアル』は、その得意分野二つを合わせた形となる。
まだ第1回ということで、今後どのようなアイドルが取り上げられ、どのような切り口でその背景を探っていくのかは未知数である。
この番組が、よりよい方向でアイドルに刺激を与え、アイドル界の底上げに繋がっていけばよいと思う。
(文=プレヤード)
■『アイドリアル~アイドルの今を切り取る~』
フジテレビで毎週金曜日 26:00~26:30放送(週によって変動あり)
第一回放送はフジテレビオンデマンド(FOD)で配信中。また、1/26(土) 26:00~ BSフジでも放送予定。