「無価値な情報」を、いかに後世に残すか? ファミコンの攻略本1000冊が大集合の「ファミコン攻略本ミュージアム1000」編著者・松原圭吾インタビュー
2015.12.16
■正しい情報をどう後世に残すか
──まだまだ所蔵されている攻略本があるわけですが、今後はどんなことをしていきたいですか?
松原 ファミコン以外の本もまだまだあるので、続きの本も書きたいんですが、どういう形で発表しようかというのは多少悩んでいます。例えば電子書籍には非常に魅力を感じている部分と限界を感じている部分があって、さっきの「ディープダンジョンIVのすべて~」のような内容ならばハイパーリンク的に情報を表示できる電子書籍の形がいいなと思うんですが、まだそういうフォーマットは少ないようですから。
それと、せっかく攻略本をここまで集めたので、他の人も見られる状況にしたいですね。攻略本の図書館、もしくは博物館を作りたいんですが、図書館だと扱いの悪い人に本をボロボロにされちゃう可能性があるし、博物館だと手に取って調べられないということでどっちも微妙だなという印象です。
とはいえ私は本をきれいに並べることが好きというわけでもなく、そこにあるという認識だけでも構わない。ただ、何か調べてほしいと言われた時にすぐに情報を取り出せる検索性は持っていたいと思っています。
あとは本自体を持っていることにも多少疑問を持っていて、国が攻略本をアーカイブ化、電子書籍化するというのであればぜひとも協力したいですね。みんなが正しい情報を見られることの方が重要だと思います。
取材・文/有田シュン(シティコネクション)
■「ファミコン攻略本ミュージアム1000」
単行本: 160ページ
出版社: マイクロマガジン社 (2015/10/2)
ISBN-10: 4896375211 ISBN-13: 978-4896375213
価格:1,620円(税込み)