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ディズニーのベテランアニメーターが唸った! VRペインティング「Tilt Brush」の登場でアートが変わる?

2015.09.26

「Tilt Brush」を駆使して『リトル・マーメイド』の主人公・アリエルと、『美女と野獣』の野獣(ビースト)を描くキーン氏だが、自然にそれらのキャラクターを等身大で描いてしまうという。そのため、彫刻を“描いて”いるような作業になるということだ。人魚のアリエルがカラフルな色使いの絵筆で立体的に描かれていく光景には、思わず目を奪われる。

「3D空間での作品作りは、アーチストにとってまったく新しい表現手段になる」と、キーン氏はこのVRペインティングの大きな可能性を指摘して、今回の刺激的な作画体験を結んでいる。キャリア38年のベテランアニメーターの言葉だけに、意味するものは重いはずだ。VRペインティングの登場で、今後のアート全体が大きく変わりそうだ。

■現実には不可能な機能を持つさまざまな絵筆で3D空間に絵を描く

 この「Tilt Brush」はゲームのデペロッパーらが新たに設立した「THE SKILLMAN&HACKETT TEAM」とGoogleによって、共同開発が進められている3Dペイントソフトだ。Oculusやソニーなど各社のHMDが出揃う来年には、一般に公開されるものと思われる。

 6月に米・サンフランシスコで開催された世界初のVRアートの展覧会「World’s First Virtual Reality Painting Exhibition」で、この「Tilt Brush」を駆使して制作された数々のアート作品が初めて本格的に展示されて、一躍注目を集めることになった。これらの作品は現在、GooglePlayから無料でダウンロード可能だ(Android版のみ)。また、Googleの紙製HMD「Google Cardboard」を使って一足先にVRアート作品として観賞することもできる。

 3D空間に絵を描く「Tilt Brush」ではブラシの種類もさまざまで、基本となるドライインク、ウェットインクから各種のパターンや、描いた線が動くブラシや音楽が鳴る線を描くブラシなどもある。ともあれゲーム業界が開発を主導してきた民生VR技術は、今後アートの世界にも大きな影響を与えることは間違いなさそうだ。
(文/仲田しんじ)

【参考】
・The Daily Dot
http://www.dailydot.com/geek/disney-animator-painting-virtual-reality/

・「Tilt Brush」
http://www.tiltbrush.com/#intro

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