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【ICAF 2015】「商業アニメの方面に行くべきかどうか」 『フミコの告白』『陽なたのアオシグレ』の石田祐康が再び直面する岐路

2015.09.11

 体制の変化は、そのまま必然的に長編への期待へとつながっていく。「長編はやりたいですけど大変なのは火を見るより明らかなので、様子を見ながらやっていかないと。スタジオの体力だったりとか、できるという確信を持ってからでないと」。

 石田監督が再び直面した岐路。『rain town』か『フミコの告白』かといった作風の問題としては、昨年行った精華大の准教授でもあるアニメーション史研究家・津堅信之インタビューにも関連している。“Animation”と“Anime”、双方の事情に理解のある人材の育成が国際競争力に影響してくるため侮れない。

 そして作風の問題だけではない。そこにはアニメ業界内の叩き上げでなく、自主制作から商用へシフトした監督の持つ共通の悩みも含まれる。同時にアニメーターの薄給問題やデジタル作画への移行問題などを抱えているように、従来のアニメ業界のワークフローに合わせるべきか、アニメ業界がワークフローを変えるべきかの岐路とも重なっている。
(取材・文/真狩祐志)

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http://www.icaf.info/icaf2015_index/2015_retrospective

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