閉店「書泉ブックマート」跡地に「アニメイト神保町店」出現へ? アニメイト関連企業がパセラ跡地も取得済み

2015.09.02

「アニメイト(こちらは秋葉原店)」アニメイト公式HPより

 昨日、9月30日での閉店を発表した神保町の老舗書店・書泉ブックマート。その跡地利用について、隣接するパセラお茶の水店跡地を含めて、書泉ブックマートを運営する株式会社書泉の親会社にあたる株式会社アニメイトの高橋豊会長が役員を務める企業が、すでに所有権を取得していることがわかった。同地では、既存の建物の取り壊し後、アニメイトグループによる新たな事業展開が予測される。

 書泉ブックマートは1967年に開店。4階のイベントスペースではアイドルのサイン会なども開催されるほか、近年では女性向け作品の充実した書店としても知られていた。閉店の理由について新聞各紙の報道では、広報担当者の話として、近隣にある書泉グランデと経営を合理化するためと記している。また、以前よりビルは老朽化、現行の建築基準法では既存不適格とされており、消防署の立ち入り検査でも問題を指摘されていたという。

 不動産登記によれば、現在の書泉ブックマートがある土地は2012年に株式会社AFに所有権が移転されている。この企業は東京都豊島区に本店を登記。アニメイトホールディングスの会長である高橋豊氏が代表取締役となっている。事業目的として、出版業やアニメーション・キャラクタービジネスのほか、不動産の売買、仲介などとされている。

 隣接するパセラお茶の水店跡地は1968年に三省堂書店が取得。この後、所有権の一部移転などがあったが、株式会社AFは14年と15年の2回の取引で、三省堂書店などの持ち分すべてを取得している。

 業界事情に詳しい関係者は、アニメイトの構想を次のように予測する。

「隣接地を含めて、一体で再開発することは間違いないでしょう。行政……千代田区でも秋葉原と神保町の間を人々が回遊するルートをつくる構想が検討されています。仮にアニメイト神保町店ができれば、神保町のランドマークとなり得ます」

 相次ぐ老舗書店閉店のひとつとして嘆きと共に語られている書泉ブックマートの閉店だが、神保町に新たな大衆文化の拠点が生まれることは間違いなさそうだ。
(取材・文=昼間たかし

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