映画『脳漿炸裂ガール』は本日公開!

『TIGER & BUNNY』のマンガ原作者が次に挑んだのは強制参加のデス・ゲーム! 人気ボカロ曲『脳漿炸裂ガール』に込められた女同士の●●とは?

2015.07.25

『脳漿炸裂ガール』公式HPより

ーーお嬢様学校に入学した市位ハナは、目を覚ますと檻のなかにいた。突然、「黄金卵の就職活動(ジョブハンティングゲーム)」というデス・ゲームに巻き込まれたハナは、クラスメイトであり憧れの稲沢はなと共に戦っていくが、勝ち残るのはたったひとりと告げられ……!?  原案は、疾走感溢れるメロディーラインと超高速歌詞で、ニコニコ動画に投稿されたとたんに大ヒットしたボカロ曲『脳漿炸裂ガール』。ヒロインは、今作が初主演になる私立恵比寿中学の柏木ひなたと、『暗殺教室』『ホットロード』と話題作出演が続く竹富聖花。  本日7月25日の公開を前に、シリーズ累計45万部の公式ノベル原作を担当し、脚本も手がけた吉田恵里香さんに話を聞いてきた。 ーーまずは完成作品を見られてのご感想を聞かせてください。 吉田恵里香(以下、吉田) 想像以上にテンポがよくてビックリしました。小説だと、ちょっとした動作や思いを表現するのに何ページも使いますが、映像だとほんの数秒。改めて映像の強みを感じましたね。 ーー市位ハナは柏木ひなたさんが、稲沢はなは竹富聖花さんが演じられていますが、イメージ通りでしたか? 吉田 2人ともかわいらしくて、演じていただけてラッキーだなと思っています。小説のハナは、あまり良いコじゃないんですが、柏木さんが演じることによって愛されるキャラになっていてよかったです(笑)。竹富さんも、美人でスラッとしていて、イメージ通りでした。原作通りツインテールにしていただけたのも、うれしかったですね。ツインテールが似合う人って、なかなかいませんから(笑)。 ーー原作がれるりりさん作曲のボカロ曲ですが、物語にする際の苦労はありましたか? 吉田 ストーリーがないので、どうしようと最初はとまどいました。でも、逆に「正解の物語」もないってことなので、「これが私の『脳漿炸裂ガール』です!」という気持ちで自由にやらせていただきました。作曲者のれるりりさんが「自分は曲しかわからないので」と一任してくださったことも、大変ありがたかったですね。 ーー“デス・ゲーム”をテーマにした理由は何ですか? 吉田 初音ミクちゃんの曲は「かわいいもの」「ポップなもの」ってイメージしかなかったので、『脳漿炸裂ガール』を聴いたときはすごくビックリしたんです。だから『脳漿炸裂ガール』が持つスピード感やあやしい雰囲気を活かしたストーリーにしようと思い、“デス・ゲーム”をテーマにしました。他にも、女子高生の失踪事件をテーマにしようとか、大人の女性が高校時代にタイムスリップして過去を修復する話にしようとか、色々アイデアはあったのですが、一番パンチが効いているのは“デス・ゲーム”だな、と。

【原曲】Brain Fluid Explosion Girl – rerulili feat.miku&gumi / 脳漿炸裂ガール – れるりりfeat.初音ミク&GUMI

ーーヒロインの市位ハナと稲沢はなは、どんな女のコですか? 吉田 ハナちゃんはどこにでもいる子にしたかったんです。クラスの中心にはいないけど、いじめられているわけではない。若い男性の先生をちょっといいなと思ったり、表面上はヘラヘラしているけど、心の中ではクラスメイトにひどいあだ名をつけたり……。まるっきり同じじゃなくても、どこかに共感してもらえるような女のコとして描いたのが市位ハナです。反対に稲沢はなは、誰もが憧れる女のコとして描きました。お金持ちで、頭が良くて、美人で、ちょっと天然で。そんな子が、「私たち親友よ」って守ってくれるって、現実ではなかなかないじゃないですか。そんな願望を込めて2人を描きました。 ーー2人の関係は友情というより、恋愛のように感じました。 吉田 思春期の友情って、今思うと恋愛っぽかったですよね。グループ内でも特定のコに「私と一番仲良くしてほしい!」って独占欲出しちゃったり(笑)。最初、ハナははなに仲良くしてもらえてうれしいとか、周囲にも自慢したいって気持ちだったと思うんです。でも、物語が進むにつれて、はなと対等になりたいと、成長していくんですよね。そうやって生まれた「大事な人を守りたい」って気持ちは、確かに愛情かもしれませんね。

脚本を担当した吉田恵里香さん

ーー稲沢はなが市位ハナに「私たちは一蓮托生」というシーンは、告白みたいで萌えました。そういった印象は狙ったものなのでしょか。 吉田 それは“プチ告白”的な意味も持たせていたので、ビビッときていただけてうれしいです! 現実ではなかなか口にする機会のない言葉ですけどね(笑)。歌詞を読んだとき、「一蓮托生」ってワードがすごく印象に残っていて、キーワードとして使いたいと思ったんです。  ただ、実は私、「萌え」がよくわからなくて。仕事柄「萌えとか得意でしょ?」と言われるのですが、わからないので狙って描いたりはしていないんですよ。むしろ「萌え」より「燃え」のほうが得意で(笑)。とくに女のコが苦しんで、痛めつけられて、それでも困難に打ち勝つシチュエーションには、最高に“燃え”ますね。 ーーそのシチュエーションはまさに『脳漿炸裂ガール』ですね。ほかにも、歌詞からとったキーワードはありますか? 吉田 やっぱり「マカロン」ですね。私は作品を描く際「気持ちの伝え方」にこだわっていて、普通に語らせるより、何かキーアイテムを通して代弁させたりするのが好きなんです。今回の作品では、ハナとはなの気持ちをマカロンに込めました。オープニングとエンディングに、マカロンがまったく違う意味を持って登場するので、ぜひ注目して見てみてください。 ーー最後に、これから『脳漿炸裂ガール』を見に映画館へ足を運ばれるお客さんにメッセージをお願いします。 吉田 自分の小説が、まさか映像化していただけるとは考えていませんでした。原案のれるりりさん、ヒロインの柏木ひなたさん、竹富聖花さん、スタッフのみなさんのおかげで、胸を張ってオススメできる作品になったと思います。是非、お友達と一緒に見て、自分の隣にいる友達は「私にとっての稲沢はな」かな? と考えてみてください(笑)。それに、女のコがかわいいので、男性も女のコ目当てで見ても、満足していただけると思いますよ。 ●『脳漿炸裂ガール』 2015年7月25日より全国ロードショー 公式HP<http://noushou.jp/●吉田恵里香(よしだ・えりか) 1987年生まれ。脚本家、構成作家。脚本だけでなく、『TIGER & BUNNY』などの漫画原作も手がける。2015年9月19日公開予定の『ヒロイン失格』でも脚本を担当。

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