「週刊少年ジャンプ」情報レビュー

「週刊少年ジャンプ」はもはや「友情・努力・勝利」ではなかった!? ルポマンガが明かした衝撃の事実

2015.02.23

――発行部数約260万部(一般社団法人 日本雑誌協会発表)を誇る最強の少年マンガ誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)。そんな「ジャンプ」の最新情報をさまざまな角度からレビュー!

週刊少年ジャンプ公式サイトより。

「週刊少年ジャンプ」(以下、「ジャンプ」)2015年13号で表紙と巻頭カラーを飾るのは、新連載第3弾となる『改造人間ロギイ』。本作は「ジャンプ」11年8号や13年の増刊誌「ジャンプVS‐バーサス‐」に掲載された同名読切を下敷きにした新連載。最初の読切から連載まで、実に4年を費やしたこととなる本作だが、現在、「ジャンプ」の電子版である「ジャンプ+」にて最初の読切版を読むことができる。作者の初連載となる本作、読切版と連載を見比べてみても面白いかもしれない。

 今週の掲載順は『改造人間ロギイ』に続いて、『暗殺教室』『ONE PIECE』、新連載2回目でセンターカラーの『ブラッククローバー』、『僕のヒーローアカデミア』『銀魂』……と並ぶ。そのほか、前号からは『トリコ』が大幅に掲載順を下げた。巻末は『磯部磯兵衛物語~浮世はつらいよ~』、その上には『卓上のアゲハ』。8号から前号までに4作品が連載を終了し、次号では4連続新連載の最後の作品が連載開始となる。新たな陣容を組み始めた「ジャンプ」から、目が離せそうにない。

 今号の注目は、電子版「ジャンプ+」連載中のマンガ『ジャンプの正しい作り方!』21話だ。本作は、「ジャンプ」の印刷工程や表紙デザインといった制作過程などを追ってきたルポマンガ。本日更新された21話では、「ジャンプ」副編集長に質問という形で、「ジャンプ」掲載順と作品人気の相関関係やロゴマークが海賊である理由などを尋ねている。その中で、ジャンプのテーマといわれる「友情・努力・勝利」について、副編集長が「そんなテーマ無いです」と回答する場面が。「友情・努力・勝利」は、元「ジャンプ」編集長・西村繁男の著書『さらば、わが青春の『少年ジャンプ』』(飛鳥新社)で言及されたほか、マンガ『とっても!ラッキーマン』に「友情・努力・勝利」をモチーフにしたキャラクターが登場するなど、暗黙の了解のように「ジャンプ」のテーマとされていた。ところが副編集長は、今の「ジャンプ」にはそうしたテーマを設けていないことを明かす。こうしたあけすけな質問が飛び出した本作。次回も「ジャンプ」にまつわる質問をしていくということで、さらなる注目を集めそうだ。

 そのほか、今号では、『NARUTO-ナルト-』のスピンオフ作品で、兄弟誌「最強ジャンプ」連載中のマンガ『うちはサスケの写輪眼伝』番外編『~NARUTO展へ行こう!~』【註:本編トビラでは“NARUTO展に行こう!”】が掲載。今年4月より開催予定の『岸本斉史 NARUTO展』の告知がなされている。本展の東京会場は、六本木ヒルズ森タワー内にある「森アーツセンターギャラリー」。同会場では、12年の「ONE PIECE展」、同年に「荒木飛呂彦原画展 ジョジョ展」、そして昨年9月~10月には「わたしのマーガレット展」が開催された。以前より「ウルトラマン大博覧会」や「ドラゴンクエスト展」など、サブカルチャーの展覧会を積極的に取り上げてきた「森アーツセンターギャラリー」だが、「ジャンプ」や集英社のマンガ展覧会ではもはやおなじみの施設となった。ちなみに、『進撃の巨人』(講談社)をテーマに昨年末から開催されていた「進撃の巨人展」は、上野の森美術館で開催されていた。マンガやアニメを扱った展覧会が多数開かれている近年、今後は出版社御用達の美術館も登場してくるかもしれない。

(雑誌やマンガ作品に関して、言及のない限り、版元は集英社。文中、敬称略)

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