腐女子歓喜!? 男性キャラのセリフや展開にBL感むんむんの『サムライフラメンコ』

2014.03.14

――毎日、何本ものアニメが目まぐるしく放送されている現代日本。これだけ放送本数が多いと、見るのだって一苦労……。そんな悩める現代オタクのため、「おたぽる」がオリジナル作品を中心にテレビアニメ・レビュー! これさえ読めば、気になるあのアニメのあらすじから評判までがまるわかり!!※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。

■『サムライフラメンコ
第20話「いつか見た少年」

サムライフラメンコ』公式HPより。

【今週の極私的見どころ!】
 澤田灰司(CV:鈴木晴久)のキ●ガイぶりをとくとご堪能ください。今まで出てきたどの敵よりも、嫌な意味で鳥肌立ちます。

【今週のおすすめ度】
★★☆☆☆
(前回のあらすじはこちら

 灰司によってマンションの自室を爆破された羽佐間正義(CV:増田俊樹)は、ただ途方に暮れていました。無残に壊されたヒーローコレクションへの怒りもさることながら、灰司の持つ雰囲気に言いしれぬ違和感を覚えていたのです。そして、警察に護衛されてホテルに移った羽佐間の元に、またも灰司から電話がかかってきます。

灰司「僕はこの世界に残ったあなたの最後の敵です。悪があるから正義は存在できるんですよ。(僕は)もっと深いところであなたと繋がりたいんです。“仲間”じゃダメなんです。深く正義と結びつくもの。つまり“悪”」

 正義と悪の理論を恍惚とした表情で語る灰司に、ネットでは「ホモストーカー、キターー!!」「腐女子歓喜!!」と大盛り上がり! 灰司のセリフに作為的なものを感じますね。ライトノベル『ブギーポップは笑わない』との類似点も指摘され、「灰司は羽佐間の別人格なのでは?」と、展開を先読みする視聴者もいました。

 そんな中、羽佐間は灰司について警察に調べてもらったもらいますが、なんと灰司は一年前にすでに病死しているとのこと。重ねての灰司からの電話で、仲間が危ないと気づいた羽佐間は、フラメンジャーたちへ連絡を入れます。しかし、羽佐間の警告も空しく、彼らは灰司によって危険な目に遭ってしまうのです。フラメンジャーに加えて重症を負ったのが、右足を骨折した原塚淳(CV:大川透)と意識不明の重体となった要丈治(CV:小杉十郎太)。人を傷つけておきながら、ひょうひょうと電話をかけてきた灰司に、羽佐間はいきり立ちます!

羽佐間「こんなことをして何になる!!」

灰司「えー? ノリが悪いなぁ……やり方がぬるすぎましたかね。やはりここは何人か、死んでもらうしかないかなぁ。特に、後藤さんだ」

 灰司のその一言で、羽佐間はすぐに後藤英徳(CV:杉田智和)へ電話をかけます。いつもと変わらない様子で電話に出た後藤に安堵するも、居ても立ってもいられず羽佐間は後藤のアパートを訪れます。

 事の成り行きを聞き終えた後藤は、中学生にそんな神業的な芸当ができるわけないと、羽佐間の話を真面目に取り合いません。この時の後藤さんに、激しく違和感を感じます。ネットでも、「2人にケンカさせる展開を無理矢理作ってない?」と抗議の声が上がりました。

 なおも「信じてほしい」と言い募る羽佐間に、「信じてやりてぇけどな。思い込むと幻覚も見えてくるっていうし」と後藤は呆れ声。この言葉に羽佐間は、「後藤さんの彼女さんだってもういないのに!!」と消えた彼女の影を追いかけ続ける後藤をなじります。それを聞いた後藤は、羽佐間にぶちギレ!! 羽佐間は後藤のアパートを飛び出します。

 夕日に照らされた土手まで来た羽佐間は、フラメンコ星人の言った「人は土手でこそ真実を語る」という言葉を思い出します。そこで羽佐間は、人を喰った様子で再び電話をかけてきた灰司に、自分と対面するよう言い聞かせるのです。しかし灰司は言います。「あなたにとって僕が、後藤さんにとっての“彼女”でないと誰が言えますか?」と。

 衝撃的な言葉にハッとして顔を上げると、目の前の中州に灰司が立っていました。半ば半狂乱で「そこにいるじゃないか!」と川を泳ぎ出す羽佐間。しかし、中州にたどり着いた時、そこに灰司の姿はありませんでした。

 冷静さを取り戻した羽佐間は、土手に寝転がったまま日が暮れるまで自問自答を繰り返します。灰司は、悪がいなくなった世界で無意識に自分が作りだした幻覚かもしれない……。それなら、と羽佐間はある答えにたどり着きます。

羽佐間「正義の味方であるサムライフラメンコが本当に倒すべき悪は――僕、なのか」



 つまり、世界に残った最強の敵は自分自身で、人間はそれに打ち勝たなければいけない、というオチでしょうか。最後の方向性だけは、結構好きな展開です。――が、いたるところでストーリー構成の雑さが目立ち、今までの超展開とは違った意味でついていけません。

 ただ、ネットでは「意味がわかならいけど面白い」「こういうのを待っていた」と意外にも好意見が多数。その一方で、「1クールのタイミングで終わっていれば、良作だったのに……」「今回は“鬱回”」と落胆の声もちらほら見られました。視聴者の中に、「つまりハリウッド映画の『ファイトクラブ』展開ってこと?」とつぶやいた方もいましたが、二重人格とはちょっと違うものの、近い部分があるでしょうね。超展開に続く超展開の中、いい感じにまとまってきていただけに、後味もすっきり終わってほしいと願うばかりです。
(文/牧野絵美)

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