アニメ『映像研には手を出すな!』完成直前にまたしても大トラブル発生!? この難局を乗り切ることができるのか?第11話

2020.03.26

TVアニメ『映像研には手を出すな!』公式サイト

 納品まであと45日。あっという間である。だが日数は少なくなっても、なぜ戦うのか、なぜこの町全体が地球外生命体と戦う道を選んだのか。物語の根幹ともいえるストーリーが決まらないままに制作は進んでいるというなかなか厳しい状況だ。

 さらにDVDの複製を担ってくれる予定だった部活が、不正取引を行っていたことが発覚。警備部に摘発されたため、映像研に向けられる生徒会からの目はかなり厳しくなっている。金銭の授受などが行われていれば。映像研も活動停止になることが示唆されるなど、どんどん窮地に追い込まれて行っているようにも見える。

 だがそんなことでこの映像研が止まるわけもない。今回も3人は気分転換と称して芝浜の街を探索する。元々は道路だったはずの水路を歩いて渡り、増改築を繰り返したため簡単に行きつけなくなってしまった公園を目指す。

 想像の設定の中では潜水艦やアトランティスのようなものが出来上がり、映像研お決まりの新設定妄想が公開されていく。毎回浅草氏の頭の中がのぞけるのはとても面白い。このシーンが来ると「お!待ってました!」という気持ちになる人も多いのではないだろうか。

 妄想の中でも現実でも水路を渡ったからなのか、金森氏は翌日に風邪をひいて学校を休んでしまう。お見舞いに向かう所で浅草氏と金森氏の出会いの回想シーンが差し込まれる。

 昔からかなりの人見知りだった浅草氏。体育の授業でありがちな二人一組を作れというアレで組んだ金森氏に、放課後金儲けの手伝いを頼まれたことが出会いのきっかけとなる。
 
 金森氏も自ら誰かとつるむようなタイプではない。ただ利用できるものはなんでも利用するタイプだったので、浅草氏に声をかけただけだった。児童総お友達説否定派の金森氏は、浅草氏と生まれたのは「共生関係」である、と説明。友達ではなくたまたま利害関係が一致しただけの関係性。だが浅草氏は金森氏のこの考え方にいたく感銘を受けその共生関係から今の仲間という関係に育てていったのだった。

 見舞いがたてら、今後を相談しようと考えていたふたりだったが、もちろん金森氏は手を打っていた。SNSを中心として活動を発信していたため、地元とつながりをもって学生のうちからビジネスを始めたことを拡散。町ぐるみでビジネスを学んでいる、ということを好意的な目でみられるように仕向け学校側が後に引けなくなるように仕組んでいた。

 寝込んでいても金森氏はさすがである。そして浅草氏も彼女が寝込んでいる間に止まっていた設定をついに固めていた。

 戦いが起こる理由は友好が忘れ去られたから。元々人間と河童は共存していたのにそれを忘れ、争いが起きてしまう。だが、その誤解が解けて最後に大団円とまとまるという。どれもこれもずっと探検を続け、学校側と戦う中に多くのヒントが隠れていたことを共に見てきたからこそ納得のいく設定だ。

 設定が決まれば浅草氏の行動は早い。金森氏の激も飛び交い、作業は順調に進んだかのように見えた。映像研の担っていた作業は完璧だった、しかし最終チェックの段階で外注していた曲を当てはめて流してみたらトンデモない事態が発覚。なんと、曲がまったく映像に合っていないのだ。 

 最後の最後に出たこのトラブル。一体三人はどのように解決するのか!? 次回で最終回。いったい映像研どうなる?

(文=三澤凛)

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