アニメ『ヴィンランド・サガ』またしもて惨敗を喫したトルフィン アシェラッドが語るふたりの差とは?
2019.12.24
NHKで放送され、さらにはAmazonプライム・ビデオにて世界配信も決定している『ヴィンランド・サガ』第21話がオンエアされた。
#22 孤狼 クヌートとトルケルが見守る中、アシェラッドと決闘を始めるトルフィン。 しかしビョルンを送った直後のアシェラッドのただならぬ雰囲気に気圧され、トルフィンはなかなか攻撃を仕掛けられずにいた。 その様子を見かねたアシェラッドは剣を放り投げ素手で十分だと彼を挑発する。激昂したトルフィンは… ビョルンとアシェラッドの決闘を目の当たりにしたトルフィン。いよいよ自分がアシェラッドと対峙することになったが……。
なかなか切りかからないトルフィンに剣を捨てて挑発するアシェラッド。それにいとも簡単に乗ってしまう。手負いのトルフィンといえど、トルケルに勝つなど実績はある。年老いてきたアシェラッドを相手に善戦してもおかしくはないが、この簡単に挑発に乗ってしまう点が大きな弱点となっていた。
武器すら手放した丸腰のアシェラッドに、簡単にいなされ逆にボコボコにされてしまうトルフィン。意識を失ったことでクヌート王子に決闘を中断させられてしまった。 見ていたトルケルも、トルフィンがアシェラッドに勝てない理由を即座に理解した。それほどふたりには歴然たる差があった。
百戦錬磨のアシェラッドにとって、単純なトルフィンを制することなど造作もないことだ。アシェラッドはトルフィンの無謀さ、無知さを嘆く。自分の半生を語りつつ、トルフィンの違いを明かした。
アシェラッドは奴隷の母の元に生まれた。物心ついたころから下働きをして煤や灰にまみれていたため、ついた名前がアシェラッド(灰まみれ)だったという。
彼の父親にあたる男はその地の領主で強い男。母も過去は彼の寵愛を受けていたが、病気を患ってからは見向きもされなくなり、最底辺の生活を送ることを余儀なくされていた。
ある時、父の狂剣から母を救うべく、剣を握ったことで彼の生活は一変する。初めて剣を使ったにもかかわず、父と互角に渡り合う事ができた。その剣筋を見込まれ、さらに自分の子であることを知った父から館に住まう事を許された。
そこからアシェラッドは年をかけて、周囲の信頼を勝ちとるべく動いた。そして誰からも信頼されていると、確信を得たアシェラッドは父親を暗殺する。 さらに父親とそりがあわない兄に疑いがかかるように仕向け、自分が遺産を相続できるようにしていた。そうのようにして彼は今のような地位を手に入れた。
そのように生き抜いてきたアシェラッドは、感情をむき出しにして、襲いかかるだけのトルフィンはただのぼんくらだと痛烈に批判する。図星を突かれたトルフィンはひとり吠える……。トルフィンは変わることができるのか。
(文=三澤凛)