ありがとうメッセ! 永遠なれメッセ! 虎のラーメン伝道師・メッセンジャーの単行本から思い出を振り返る【引退記念】
2019.09.29
9月13日、今期限りで現役を引退することを発表した、阪神タイガースのランディ・メッセンジャー投手。18日には会見を開催し、「自分の体がもう、悲鳴をあげている」と引退理由を発表。涙ながらに「(甲子園のマウンドは)本当に大きな意味を持った場所だった」と語り、全国の虎ファンの涙を誘いました。
SNSで面白おかしい投稿をしたり、個性的なエピソードを持つ生え抜き選手が阪神タイガースにあまりいません。阪神タイガースネタをとにかく紙上に掲載しまくる関西マスコミを警戒してのことでしょう。
しかしそんな阪神タイガースにおいて、メッセンジャー投手は闘志むき出しにしたピッチングスタイルはもちろんのこと、馬車馬のごとく投げたがったり、シーズン後の帰国時に翌年の開幕投手に名乗りをあげたり、やたらとラーメン好きだったりと、やたら個性豊かで、98勝という数字以上に存在感を発揮してきた投手でした。
さて、そんなメッセンジャー投手は、昨年8月に『ランディ・メッセンジャー すべてはタイガースのために』(洋泉社)という単行本を上梓しています。この記事では、『すべてはタイガースのために』をひも解きながら、メッセンジャー投手の思い出をつらつらと語りたいと思います。
■メッセンジャーのラーメン愛はガチ
メッセと言えばラーメン好き、ラーメン好きな外国人選手と言えばメッセ。メッセンジャー投手は大のラーメン好きとして有名です。
甲子園球場では選手とコラボしたフードメニューが多々ありますが、メッセンジャー投手の「メッセの豚骨醤油ラーメン」(850円、メッセ盛り1050円)は、2015年の登場以来、コラボメニュー内では常にトップクラスの売り上げを誇った人気メニューでした。
『すべてはタイガースのために』でも、「僕の大好きなもの~奥深きラーメンの世界~」と題し、わざわざ章立てまでして、たっぷりと語っています。
子どもの頃からインスタントヌードルを好んで食べていたこと、野菜嫌いであったこと、そして初代通訳がラーメン好きだったこともあって、来日早々ラーメンにドハマリしたメッセンジャー投手。「この9年間、地方、都会問わず、ありとあらゆるラーメン屋に足を運んだ」と自信満々。
以前、メッセンジャー投手は「もやしを入れるとスープの味が変わってしまう気がする」と語っています。ネギも抜くということで、「味にこだわりがあるんだな」とぼんやり思っていたものですが、単なる野菜嫌いという可能性が浮上してきました。
また、スポーツ選手がラーメンのような脂肪と塩分が多いものを、好んで食べていいものだろうかとも思いますが、シーズン中は登板前日にラーメンを食べていたようです。アスリートは試合前に、エネルギー源となる炭水化物を多めに摂る必要がありますが、メッセンジャー投手はラーメンで炭水化物を摂取していたようです。
メジャーの投手や、欧米のアスリートは試合前にパスタを爆食いすると聞きますし、パスタの代わりにラーメンでも、確かに問題ないでしょう。実際メッセンジャー投手は毎年のように200イニング近く元気に投げていましたし、体重は121キロから110キロ前後へ、約10キロも落ちたそうですから、ラーメンルーティンが合っていたんでしょうね。
ラーメン以外の食べ物では神戸牛を絶賛していますが、それ以外には和食への言及はなし。おそらく好き嫌いが激しいタイプなのでしょう。
なお、ベストの店としてラーメンでは横浜の家系ラーメン「吉村家」、ステーキは名古屋の「ステーキハウス キッチンリボン」を挙げ、家族で訪れていたお店として神戸の「丸高 中華そば」をそれぞれ挙げています。お近くにお住まいの方は足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。