キム・カーダシアンの「KIMONO」問題で広がった「文化盗用」非難 実は『FGO』『艦これ』ユーザーは怒れない問題

2019.07.02

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 これが「キモノ」とは……。アメリカのタレント、キム・カーダシアンが矯正下着のブランド名を「KIMONO(キモノ)」にしようとして、「文化盗用」であると批判を受けている問題。

 渦中のカーダシアンはニューヨーク・タイムズ紙で「私は日本の文化における着物の重要性を理解しており、深い尊敬を持っています」と共に「伝統的な衣服に似ている商品や無礼にあたる商品をデザインしたり、発表したりする」として、ブランド名を変更する意図がないとしていた。

 世界規模の炎上騒ぎとなったことを受け、カーダシアンは「慎重に考えた結果、ブランドは新しい名前で販売する」と発表。当然の結果ともいえるが、日本国内では安堵の声が多く上がっている。

 問題となった矯正下着はカーダシアン自身が情熱を注いできた作品とされInstagramなどに公開されているが、着物らしさは微塵も感じさせない。しかも「KIMONO」を商標登録するとも発表しており、それもあってか、よけいに反発の声は強まっていた。

 すでにこれに怒る人の中には「Change.org」で反対署名を立ち上げている人もいたが、この問題を「文化盗用」として非難するのはどうも筋が悪い。

 というのも「文化盗用」というならば、日本でも、それぞれの国の人が激怒しそうなことは、ごく当たり前に行われているからだ。

 それが様々な作品で見られる擬人化やキャラクター化。たとえば『Fate/Grand Order』なんて「文化盗用」と非難されたら、土下座する意外にあり得ない。

 Googleの検索が空気を読んでいるのか、あんまり上位に表示されることはないが、ナイチンゲールとか、ジャンヌ・ダルクとかで検索するといわずもがな。『艦これ』の影響でネルソンもそうだ。ほかにも、世界の偉人女体化なんて、単に今はまだ怒られていないだけのような……。

(文=大居 候) 

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