香港の逃亡犯条例でエロも壊滅 影響は言論・表現……そして、アニメやゲームにまで

2019.06.14

Photo by Kevin Krejci from Flickr

 香港の人口700万人中100万人がデモに参加したという、香港の逃亡犯条例改定をめぐる問題。犯罪の容疑者の扱いを定めたこの条例が改定されれば、香港住人だけでなく、香港に住んだり、渡航した外国人や中国人までもが、中国側からの要請があれば本土に引き渡されることになる。これに対し、香港の独立性が失われるとして激しい反対運動が起きている。そして、それは日本発のマンガやアニメ、ゲームにも影響を及ぼしそうだ。

 激しいデモの行われた12日まで香港に滞在していた、ゲーム制作会社社員は語る。

「テレビで放送されているような厳戒態勢が敷かれているのはごく一部。ほかの地域は極めて平静です。とはいえ、出会った香港人の多くはデモに参加するつもりだと話していました。中国に支配される危機感があるのは、本当なんだと感じました」

 今後、中国本土に入国する際になにかあってはと、あくまで匿名という条件で話してくれた、この人物。香港の知人に聞いたところによれば、この件に限らず香港人の危機感は高まっているという。

「今、香港を捨てて海外へ移住する人は増えていて、1997年の香港返還の時を超える勢いだそうです。もう、中国に飲み込まれるのは逃れることができないと考える人は多いのでしょう」

 香港の独立性が失われれば、問題は多岐に及ぶ。本土に比べて比較的寛容な言論・表現へも圧力が及ぶ可能性があるからだ。

「香港は中国本土に比べると比較的性表現にも寛容でした。そうしたものも、今後は難しくなっていくのではないでしょうか」

 逃亡犯条例は不可避な状況になっているが、どこまで抗しきれるのか。 

(文=編集部) 

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