恥をかいても、笑いものになっても、逃げるのだけはしたくない──ドラマ『人は見た目が100パーセント』第8話レビュー

2017.06.06

ドラマ『人は見た目が100パーセント』公式サイトより。

 今のご時世、ドラマでキスシーンを目にすることなど、珍しいことでもなんでもない。

 普通の恋愛ドラマなら、そんなシーンはバンバン出てくるし、なんならもっと濃厚なラブシーンだってたくさん目にする。

『人は見た目が100パーセント』(フジテレビ系)は、始まってから第7話まで、キスシーンは一切なかった。

 恋愛や美をテーマにしたドラマ、しかも主人公が妙齢の女性であればこれは異例なほど進展が遅いと言えるだろう。そんな城之内(桐谷美玲)と榊(成田凌)の関係が気になる第8話。

 ひょんなことから高級ファッション雑誌の取材を受けることになった城之内、前田(水川あさみ)、佐藤(ブルゾンちえみ)の3人。恥ずかしい写真は載せられないと、写真写りの研究を始めるものの、ハードルが高く、やはり自信が持てない。

 そんな時、研究の機密情報が社外に漏洩する事件が起き、3人に疑いがかかる。社内での風当たりも強くなり、悩んだ末、とりあえず取材を辞退しようと決意する。

 ある日の会社帰り、城之内は、上司の國木田(鈴木浩介)が、ライバル会社から出てくるところを目撃してしまう。犯人は國木田ではないかと疑った城之内は、彼に真相を問いただす。

 しかし、実際に聞いてみると、國木田はヘッドハンティングを持ちかけられており、情報漏洩とは無関係だとわかる。さらに、3人に疑いをかけたのは研究員の矢部(関めぐみ)の嫉妬によるものと知り、城之内は考えを変える。

「ここでやめたら、悪いことをしたと認めたようになってしまう」

 恥をかいても、笑いものになってもいい。逃げることだけはしたくない。そう言い合って、3人は取材を受けることにする。

 無様になりながらも、向かっていく姿勢がおかしくも胸を打つ。自分たちが濡れ衣を着せられた。悔しい。そんな気持ちがきっかけでもいい。それはささいなことかもしれない。でも、ささいなことから逃げない。そこから挑戦する心が生まれるのだ。

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