『冴えない彼女の育てかた♭』4話 オッパイ、黒パンツ、スケベ台詞、詩羽先輩が攻めすぎています
2017.05.05
瑠璃も、沙由佳も、詩羽自身の投影でした。しきりに「瑠璃ルートと巡璃(めぐり)ルート、どっちを選ぶの?」と倫也に答えを求めていた詩羽先輩の本音です。しかし倫也は「瑠璃を選ぶ」とは言ってくれませんでした。倫也にとって詩羽先輩の存在は、
「どれだけ大事にされても、妹だとか、憧れだとか、師匠だとか、いつも特別扱いされて、結局、普通に側にいられない」(原作5巻 221ページ)
絶対に恋愛対象として見てくれないわけです。せ、切ないわー。倫也がとことん無自覚なところがホント残酷ですよね。詩羽先輩を泣かせまくっている件については、倫也をそのうち弾劾裁判しましょうか。
そこで詩羽先輩が恵にお願いしたこと。瑠璃に変身した恵が、主人公くん=倫也と一緒にフォークダンスを踊ることでした。これで擬似的に瑠璃=詩羽先輩の恋心を成仏させるという……これ、ドン引く人もいるかもしれません。でも、失恋の決着のつけ方がいかにも「根暗で、執念深い」詩羽先輩らしい。このひねくれた詩羽先輩の執着が、めちゃくちゃ愛おしい。オタクはこじらせた女子が大好きなんですよ。
ねじ曲がった執念はもう一つあります。詩羽先輩が英梨々のケータイにメールを送った時の署名には「T-AKI UTAKO」。英梨々が詩羽先輩に、このペンネームを言及したシーンが原作に書かれいてます(5巻232ページ)。
「別にこれでクリエイターとして結ばれたとか、作家としての絆は二度と切れることがないとか、そんなメンヘラっぽいこと考えたりしてないわよ?」
「してるしてる思いっきり浸かってる代償行為のくせに!」
むしろこっちが、詩羽先輩の「手慰み」なのではないかと思うわけです。
(文:かーずSP)