存在価値奪われた勝木さんの“悲劇”! プリキュア“人類補完計画”を全否定【まほプリ(ほぼ)全話レビュー】

2017.01.18

ABC朝日放送『魔法つかいプリキュア!』公式サイトより

魔法つかいプリキュア!』(以下『まほプリ』/テレビ朝日系)をオタク目線で毎週追っかけてお伝えする、【まほプリ(ほぼ)全話レビュー】。1月15日放送の第48話「終わりなき混沌! デウスマストの世界!!」は、ついにやってきた“終わりなき混沌”デウスマストが、魔法界とナシマホウ界を融合させ、みらい(声:高橋李依)たちの日常が一変、意外と壮大でそこそこ練られていたデウスマストの究極の目的が明かされるなど、これまでの伏線が一気に回収されていく怒涛の展開となった。

 前話で謎の光に包まれたみらい、リコ(声:堀江由衣)、ことは(声:早見沙織)が迎えたのはいつもの“明日”ではなく、科学と魔法が融合した不思議な世界。これまでに登場した2つの世界の者たちが混乱もなく調和して暮らしており、魔法で猫がしゃべっても「ニャ~ンてことでしょう」とツッコむ人もいない……。しかも、勝木さん(声:菊地美香)すら当たり前に魔法を認識してしまっており、彼女yの存在価値が奪われる“悲劇”が! ぐぬぬ、デウスマスト許すまじ!!

“混沌”とはこういうことだったらしいのだが、マザー・ラパーパが宿る「母なる樹」が、完全に混沌に飲み込まれるのを食い止めているとのこと。さらに、デウスマストは生命や大地を混ぜ合わせて1つのエネルギーにして混沌に帰す力にしようとしている……って、ラパーパの記憶が活性化し、急に語り部っぽくなった、ことはが解説。

 それら小難しい話は、みらいにとって冷凍みかんの原料・ピーカンみかんとかの育成が悪くなった原因ということに落ち着き、激おこしてデウスマストと戦うモチベーションにつながるという結果を生む。しかし、魔法学校の校長がデウスマストを倒すことで、融合しかけた世界が2つの世界に戻ると、これまでどおり行き来ができなくなるかもしれない……お別れの予感を感じさせる説明も。

 一方、これまでプリキュアたちと激戦を繰り広げていたデウスマストの眷属たち。前話でラブー(声:龍田直樹)、シャーキンス(声:速水奨)、オルーバ(声:杉山紀彰)が瞬間復活したかと思いきや、生き残ったベニーギョ(声:井上喜久子)も含めデウスマストに取り込まれ一体化。全員がデウスマストの口調でしゃべりだすのだが、さすがベテラン声優たちだけあって、「これは勝てそうにない」と感じさせてしまう重みのある声っ! ラスボス感たっぷりの中、プリキュアたちとの戦いの火ぶたが切って落とされる。

 混沌のなかですべてが1つとなるという“人類補完計画”のようなことをオススメするデウスマストだが、プリキュアたちは全否定。それを聞いた残りのダイヤとエメラルドのリンクルストーンの妖精が、ここに来て「ミトメール」以外のことを喋りだす。いや、お前らちゃんとしゃべれたんかい! というツッコミをよそに、精霊全部「ミトメール」のフルコンプしたけど、結局なんだったんだ、あいつら。

 次回は「さよなら…魔法つかい! 奇跡の魔法よ、もう一度!」と、あともう2話、あるはずなのにまるで最終回のようなタイトル。メイン4人の熱い思いがあふれるような予告読みがされグッと心に刺さる。どこに物語が着地するのかいまだ分からない『まほプリ』だが、エンドカードでは、みらいがフィナーレで1人になるような将来を暗示していた。涙なくして語れない悲しいお別れになってしまうのだろうか……。
 (文/ティエリア88)

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