“歩きスマホ”の先を行く!? “電車内VR”目撃事例が早くも話題に!

2016.04.17

「Gear VR」公式サイトより。

 今や社会問題にもなっている“歩きスマホ”だが、そこからさらに進んで、近い将来を予見する話題が持ち上がっている。それは公共交通機関などでVRゴーグルを装着する行為である、言ってみれば“公共場所VR”が今後問題になるのではないかという懸念だ。

■VRへッドセットを装着した男性が電車内でゲームに興じていた!

 アメリカの都市の中で最も公共交通機関が発達していると言われているボストンだが、先日、街を走る電車内で撮影されたという動画が話題になっている。電車の座席に座っていた男性の頭部には、VRゴーグルが装着されていたのだ。

 朝夕はきわめて混雑するこの路線、金曜日の午後1時前後ということで、電車も比較的空いていたということだが、あろうことにVRへッドセットを装着した男性が列車に乗り込んできて座席に腰を下ろしたのだ。

「腰を下ろしてから最初の10分くらいの間、彼は静かにしていたんだけど、そのうちに明らかにゲームをやっているような挙動を見せるようになったんだ」と、その模様をスマホで撮影したニール・リンドクイスト氏は「BBC Newsbeat」の取材に応えている。確かに動画中の彼は、手にしたコントローラを操作して、辺りをキョロキョロ見回すように首を振っていたりする。装着しているVRヘッドセットはおそらくSamsungのGear VRだろう。

 この日は奇しくも4月1日だったこともあり、リンドクイスト氏は何かたちの悪い冗談なのではないかと思ったという。そして当然のことながら彼は車内で浮いており、あるカップルが面白半分にこのVRゲームに夢中の彼をスマホで撮影しはじめたという。そこでリンドクイスト氏も彼らに混ざって動画を撮影したのだ。もちろん撮影されていた“没入中”の彼にとってみれば、それほど車内の“人気者”になっていたとは露ほども思っていなかっただろう。

 SNSに投稿されるや否や、この動画は「近い将来を予見するものだ!」としてたちまち話題を呼び、さまざまなコメントが寄せられた。大方の意見はやはりこの男性に批判的であるようだが、しかしよくよく考えてみれば、スマホ閲覧者ばかりという今日の電車内の様子を、10年前に誰が予想できただろうか。

 SNSでの注目を受けて、同路線を管理するマサチューセッツ湾交通局 (MBTA)の広報担当者も苦言を呈している。「乗車中に周囲の出来事への注意力が低下する不適切な行為です」、と同局は地元紙「Boston Globe」に注意を呼びかけた。確かに、もし止むを得ない急ブレーキがかかった場合などは、VRゴーグルを装着したままでは対応し難くなるだろう。近い将来、電車内のアナウンスに「VRゴーグルなどの使用はお控えください」という文言が盛り込まれる日が来るのだろうか!?

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