恐るべし『Free!』人気で、品薄状態の「声優グランプリ」で新たな発見も!?

――昨今の声優人気に伴い、気がつけば声優専門誌も定期・不定期を合わせて10誌以上が刊行されている。そんな“声優誌 群雄割拠”の時代にあって、各誌はどのような記事・企画をとりあげているのだろうか？　主要な声優誌を中心に、目玉記事や気になる企画などを紹介しつつ、各誌の特徴を分析していく――

■「声優グランプリ」2016年1月号
出版社…主婦の友インフォス情報社
発売日…12月10日（毎月10日発売）
価格……1204円＋税
創刊……1994年

「声優グランプリ」1月号の表紙＆巻頭大特集は、映画『ハイ☆スピード！-Free! Starting Days-』より島崎信長と鈴木達夫。　

　同映画はアニメ『Free!』の劇場版。『Free!』と「声グラ」と言えば、思い出すのは同誌2013年9月号のことだ。『Free!』出演声優5人（島崎信長、鈴木達夫、宮野真守、代永翼、平川大輔）が表紙を飾った2013年9月号は瞬く間に完売し、雑誌としては異例の重版。ネットニュースなどでも取り上げられ、大きな話題を呼んだ人気コンテンツである。

　そんな『Free!』声優の表紙とあって、今回も売れ行きは順調の様子。だって、発売日である12月10日に近所の書店に行ったら、すでに「『声グラ』は売り切れ」だったんですもの。しかも、別の書店を2～3軒を回ってみたものの、いずれも売り切れで購入できず……。

　このときは「まぁ、Amazonで購入すればいいか」と軽い気持ちで考えていたが、それが間違いだった。気が緩んで2日ほど放置していたら、なんとAmazon公式でも入手できず……。結果的にAmazon内の個人ショップを通じての購入となり、プライム対象外で送料別という余計な出費となった。おそるべし『Free!』人気である。

　ちなみに2016年1月上旬現在、Amazonでは「声グラ」1月号は中古品として出品されており、価格は最低でも約3割増しの1700円台から。しかもコンディションは多くが「ほぼ新品」で、備考として「新品、未読品」と書かれたモノばかり……。有り体に言えば、転売野郎どものターゲットとなっていたワケですが、それもまた人気コンテンツの証なのでしょうね。

　さて、そのほかで気になったのは……

【雨宮天、炭水化物抜きダイエットに挑戦中！】
　おやつは「ビーフジャーキー」だそうです。

【茅原実里の連載「Date Style」、今号のテーマは無難に「お正月デート」】
　先月号の「クリスマスツリーの飾り付けデート」というテーマで、個人的に物議を醸したみのりんの連載。いろいろ予想したが、結果的には「羽子板・かるた・ふくわらい」など、平和なお正月風景で決着。

【渡部優衣、念願の犬を飼い始め「ポチ」と命名する】
　「ポチ」と聞くと雑種のイメージが強いのですが、犬種はトイプードルとビション・フリーゼのミックス犬だそうです。

……などなど。

　なお、驚いたのは神谷浩史と小野大輔のページである。ふたりがパーソナリティを務める人気ラジオ『神谷浩史・小野大輔のDera Girls ～Stories～』の新OP＆EDテーマに関する内容なのだが、写真は公式の宣材と思われるものが使用されていた。

　しかし、宣材の使用自体は何の問題もない……というか「声グラ」自体にも何ら問題はない。では、何に驚いたのかというと、この宣材写真と似たカットが「Pick-up Voice」1月号の表紙で使用されていたことだ。

「Pick-up Voice」1月号は「声グラ」同号よりも発売が早く、最初に「Pick-up Voice」の表紙を見たときは何の違和感もなかった。しかし、今号の「声グラ」を見て「そう言えば、この写真は宣材写真なのか」と気づき、次の瞬間に「アレ？……ってことは『Pick-up Voice』の表紙は宣材写真を使ったのか!?」となったワケだ。

　別に自分が幅広く雑誌業界に精通しているわけではないが、公式の宣材写真（別カットとは言え、である）を雑誌の表紙に使用することは、わりと珍しいのでは？　だって、特定の宣材が雑誌の表紙になるって、ある意味で最高の宣伝じゃないのさ。……とまぁ、最後は「声グラ」ではなく「Pick-up Voice」の話題になってしまったが、「声グラ」のおかげで気づけたんだから、ここで触れてもいいですよね。
（文／神楽坂隆）