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「まーるかいてちきゅう~♪」 「本当にゆる~い感じ」が逆に良い! ミュージカル『ヘタリア』ゲネプロレポート

2015.12.27

 美しいものを愛し、気取り屋なお兄さんのフランス役の寿里は、囲み取材時キャスト陣のツッコんだりフォロー役に回ったりと、場を盛り上げるその姿は、“世界のお兄さん”と自称するフランスの役柄そのもの。その他、ポジティブでファーストフードをこよなく愛する自由人・アメリカ役を磯貝龍虎、元ヤンで皮肉屋、負けず嫌いなのにロマンチストな一面もあるイギリス役を廣瀬大介、素朴な笑顔の裏に何とも言えない威圧感のあるロシア役を山沖勇輝、見た目は若々しいが実は年長者で可愛いものには目がない中国役を杉江大志が演じている。菊池卓也演じる古典音楽と製菓が趣味のオーストリアが、歌唱やピアノやヴァイオリンの演奏でストーリーに華を添えていたのも印象的だった。キャストの個性がキャラクターの魅力をより引き出し、にキャスト陣の熱演もまた、見どころのひとつ。

 ラストではアニメ『ヘタリアAxis Powers』の主題歌でもある、「まるかいて地球」をキャスト全員で披露。ヒップホップやロックなど、歌やダンスでそれぞれの国の特徴を表現し、作品の世界観をより魅力的に演出していたのも、ミュージカル作品ならでは。

 また、磯貝が「ヘタリアを知っている方も知らない方も楽しく歴史が学べるコミカルな作品となっていると思います」と語るように、ヘタリア初心者の方も十分に楽しめ、世界の歴史や経済、文化などを勉強していれば、ギャグの奥深さにより一層作品の世界観に浸れるだろう。

 取材時の自己紹介から役になりきってカタコトの日本語で挨拶をし、取材陣の笑いを誘った杉江。「とにかくワクワクして、わー! ってなって、うわぁってなって、あははは! ってなっていただけると思うので、楽しんで帰っていただけいただけたらなと思います!」と擬音たっぷりに語ったが、これを聞いた植田が「どうやって文章起こすんだよ!」とツッコミを入れ、当の杉江は「そのまま書いてくださいよ!」と一言。これにはキャスト陣からも取材陣からも笑いが起こった。和気あいあいとしたこのやりとりからも、出演者の仲の良さが伝わる。

 脚本は舞台『ギャグマンガ日和』のなるせゆうせい氏、演出は、舞台『戦国無双』や超歌劇『幕末Rock』の吉谷光太郎が担当。加えて衣装は原作の日丸屋秀和氏自らがデザインをし、音楽はミュージカル『AMUNESIA』のtak氏、振付にはミュージカル『ハートの国のアリス』や氣志團の振付師として活躍するMAMORU氏と、キャストとスタッフが一丸となって舞台版「ヘタリア」の世界を作り上げている。

 26日(土)の12時公演を17時間公演では、ニコニコ生放送でのネット配信も行われ、ネットでは、「チケット買えなかったけど、ニコ生で観れた!」「キャストの声がアニメ声優陣とそっくりですごい!」「ニコ生配信とか有難かった」などと声が上がっている。

 公演はZeppブルーシアター六本木にて29日(火)まで。キャスト陣が声を揃えて言うように、何も考えず肩の力を抜いて個性豊かなキャラクターのドタバタコメディを楽しんでみてはいかがだろう。そして、きっと、公演後の帰り道で「まーるかいてちきゅう~♪」と口ずさんでいるだろう(ちなみに筆者は数日経った今でもメロディーが頭から離れない……)。

ミュージカル「ヘタリア~Singin’ in the World~」
■公演期間2015年12月24日(木)~29日(火)[全11公演]
■劇場 Zepp ブルーシアター六本木
■料金 7,900円

■脚本 なるせゆうせい
■演出 古谷光太郎
■製作 ポリゴンマジック
■主催 ミュージカル「ヘタリア」製作委員会(フロンティアワークス、ポリゴンマジック、セガ・ライブクリエイション、KADOKAWA)

■出演
イタリア役/長江崚行
ドイツ役/近江陽一郎
日本役/植田圭輔
アメリカ役/磯貝龍虎
イギリス役/廣瀬大介
フランス役/寿里
ロシア役/山沖勇輝
中国役/杉江大志
オーストリア役/菊池卓也

(c)日丸屋秀和・幻冬舎コミックス/ヘタリア製作委員会 (c)ミュージカル「ヘタリア」製作委員会

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