「これが東大商法か…」 任天堂が『MHX』を用いて3DSとNew3DSの違いを見せつけた結果“悪徳商法”呼ばわりされている件

2015.12.04

YouTube「New3DS vs 3DS ~『モンスターハンタークロス』処理速度検証~」より。

 先月28日、シリーズ最新作『モンスターハンター クロス』(以下、『MHX』/カプコン)が発売され、当日は「MHX」「狩猟解禁」といったワードがTwitterにトレンド入りするなど、お祭り騒ぎとなった。ゲーム自体もシステムの追加、グラフィックの向上、アイルーを操作できる“ニャンタ―モード”など、概ね好評。年末年始商戦の勝ち組、最有力候補となりそうだ。その『MHX』に便乗したのが任天堂。しかし、あくどさを感じる商法はゲーマーの恰好の餌食に……。

 今月1日より、任天堂の公式サイトにオープンされた「トピック」ページ。「任天堂からのさまざまな話題をお届けします」と言われると、今までなかったのが不思議でならないが、「ブログ形式でお伝えしていきたいと思います」と、ニュースではなくブログと言うのであれば納得か。

 初日から、“LINEでキノピオくんと友だちに!?”“全札オリジナル柄の「マリオ花札」発売中!!”“「スーパーマリオ」の曲に歌詞があった!?”など、19項目ものブログを更新する飛ばしっぷりを見せた「トピック」。その中のひとつが、後に批判を浴びることとなる“New3DS vs 3DS ~『モンスターハンター クロス』処理速度検証~”だ。

 ニンテンドー3DSがLLを含め、1,500万台突破しているのに対し、去年10月に登場したNewニンテンドー3DSはLLを含め、まだ200万台程度しか出荷できていないもよう。そこでということなのか、先月28日・29日の2日間で、推定販売本数154万2,104本を叩き出した『MHX』を利用して、任天堂が2ハードを比較した動画を「トピック」にアップした。

「突然ですが、お持ちのニンテンドー3DSは『New』ですか?そもそも、従来の3DSとNew3DSは何が違うのか、まだイマイチよく分からないという方も多くいらっしゃるかもしれません」から始まる「トピック」。このブログでは『MHX』を用い、「セーブデータを選択してからゲームを開始するまで」「クエストに出発してから開始まで」「エリア移動」「HOMEメニューからソフトを起動するまで」という4シーンを見せることで、いかにNewニンテンドー3DSの処理速度が速いかを紹介している。ご丁寧に『MHX』開発スタッフの「処理速度の向上については理解してはいましたが、実際にロード時間の検証は行ったことはありませんので、これほどの違いがでるとは驚きでした」といった絶賛コメントつきで……。

 もちろん、後に出たNewニンテンドー3DSのほうが優れているのは当たり前だし、これから買うのであれば、確実にNewニンテンドー3DSを選ぶだろう。ただ、あざといというか、あくどいというか、胡散臭いというか、「すごいでしょ!買って買って!」という魂胆が見え見えなのか、ゲーマーからは「酷い商法だわ」「これが東大商法か」「公式がやることじゃない」「任天堂も落ちぶれたってことか」「公式がユーチューバー(笑)」など、バッシングが巻き起こってしまった。

 中には、「ゴミを売りつけていた動かぬ証拠じゃん」「交換しろよ」「3DS、返金してくれ」「こういうの1回やると、次に新しいハード出ても、『バージョンアップしたの出るだろう』と待っちゃうんじゃないか」といった人や、「マジかよ。モンハン買うのやめるわ」「今、3DSでやってるけど、心折れそう」という人も。また「低評価多くて草」という言葉どおり、YouTubeに上がっている比較動画の“親指グッド・バッド”を見ても、バッドのほうが圧倒的に多い。

 なお、『MHX』が発売された週(11月23日~29日)のニンテンドー3DS(LLやNewを含めたすべて)の週間販売台数は133,628台と、前週の33,203台を大きく上回るかたちとなった。余計なことをしなくても、自然と売れているだけに、売り焦ってしまった任天堂が残念でならない。

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