銃を乱射するチンパンジー、バイクで暴走するネコ…『GTA5』で暴れる動物たち 欧米の“MOD文化”とは?

2015.05.27

 

 PC版の『グランド・セフト・オートV』(以下、GTA5)がリリースされるや、「MOD」(Modificationの略)と呼ばれるユーザーによるデータファイルが続々と登場してそれぞれの自由な楽しみ方をされているが、最近の流行は“動物キャラ”かもしれない……!?

■『GTA5』のMOD動画は動物キャラが流行!?

 5月9日のゲーム情報サイト「Polygon」では、チンパンジーが主人公となってマシンガンをブッぱなす豪快なYouTube動画が紹介している。

 作品の舞台・ロスサントスの路上でマシンガンを思う存分撃ちまくって走る車を破壊しまくり、空に浮くヘリにも弾丸を撃ち込み撃墜。その後街を走り回ってジャンプし、スーパーマンのように空を優雅に飛び続けるかと思いきや、途中で失速して落下し路面に激突してジ・エンド! 思わずギョッとしてしまう後味の悪さだが、これが1080p60のHD画質で丁寧に作られているのだから見応えじゅうぶんだ。

 一方、ニュースサイト「Smash」で紹介されているのは、人気YouTuberのAsdf(またの名をBedBananas)氏が手がけた『GTA5』のMOD動画だ。

 動画はネコ、鳥(かもめ?)、ネズミ、ニワトリ、シロナガスクジラと動物キャラのオンパレードだ。中でもネコは自転車やバイクに乗って街を走り回ったり、航空機に乗ったりと縦横無尽の大活躍。風俗店(!?)に入ったかもめが存分に楽しんだ挙句、護衛に見つかり店から叩き出されるシーンも笑える。『GTA5』のMOD動画としてこれまでのベスト作品ではないかと記事でも絶賛されているのだ。

■続々と登場するMOD動画に楽しみは尽きない

 特定のゲームに対する想いが高じたユーザーが独自に作り上げて自由に楽しまれている各種のMODファイルだが、実際のところ著作権的にはかなり黒に近いグレーゾーン上にあることは否定できそうもない。また、オリジナルの作品世界が壊されてしまうということで、MODを好ましく思わないメーカーも存在する。それでも、PCゲームの歴史が長い欧米では、MODが作られることをもはや折り込んだ上でゲームがリリースされるケースも多く、このあたりは各メーカーのポリシー次第というところだろうか。

『GTA』シリーズを手がけるRockstarは、これまでもユーザーがシングルプレイのMODを作って楽しむことを容認してきた。先日には、公式に『GTA5』に関するMODの制作やプレイを制限しないことを発表している。この発表は一部のMODがオンラインアップデート後にプレイできなくなったというユーザーからの報告を受けてのもので、これらの報告があってしばらくはユーザーの間で「RockstarがMOD規制に動きだしたのでは?」という憶測が広まった。これに気づいたRockstarは改めてMODを制限していないことを発表したが、今回の件のようにアップデートによる影響で今までプレイしていたMODが動作しなくなることは起こり得ると、周知を促している。

 MODの盛り上がりを含めて、発売早々から人気を博しているPC版『GTA5』。このPC版に追加された嬉しい機能のひとつが「セルフラジオ」だ。この機能によって、例えば普段iPodやiTunesで聴いている曲をゲーム世界のカーラジオでも聴くことが可能になる。“マイフェイバリット”の曲を聴きながらドライブすれば、これまで以上にロスサントスの街が身近に感じられること請け合いだ。しかし残念なことに、コンソール版に「セルフラジオ」機能が追加されることはないと、今回併せて発表されている。ともあれこの『GTA5』から今後も続々と登場するであろう奇抜なMOD動画に楽しみは尽きそうもない。
(文/仲田しんじ)

【参考】
・Polygon
http://www.polygon.com/2015/5/9/8577303/gta5-mod-chimp-car-gun

・Smash
http://www.smash.com/gta-animal-apocalypse-play-gta-5-cat-rat-whale-hilarious-mod/

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