安田理央の「特殊古書店ダリオ堂」 第12回

『マトリックス』コラボケータイから1台115万円の高級ケータイまで! 近未来を思わせる『世界のケータイ』

2015.02.08

――ようこそ、「特殊古書店ダリオ堂」へ。当店では、ちょっと変わった本たちを皆様にご紹介していきましょう。

『世界のケータイ』(ヘンリエッタ・トンプソン/トランスワールドジャパン/2006年)

 これは2005年にイギリスで発行された本の日本語訳版(日本語版は2006年発売)で、『世界のケータイ』(原題:PHONE BOOK)というタイトルどおりに世界の携帯電話の機種や状況を紹介したものです。

 この連載で取り上げる本としては、これまででもっとも近年のものになるのですが、パラパラとめくっていると、不思議な気持ちになります。まるで古いSF映画を見ているような感覚に襲われます。昔に想像した未来の景色が、ここにあるのです。そして、デジタルガジェットの世界での10年がどれだけ大きな時間なのかということに驚かされます。

初期の携帯電話も。
【出典】『世界のケータイ』(ヘンリエッタ・トンプソン/トランスワールドジャパン/2006年)

 懐かしいんですよ。こんな携帯電話を使っていた時代が。そして今よりも、ずっと未来っぽいのです。

 2005年というと、iPhoneが発売される2年前。既に1999年に日本ではiモードサービスが開始され、カナダではブラックベリーを発売。2002年にはOSとしてポケットPCを搭載した携帯電話が発売されているなど、スマートフォンの萌芽はあちこちから噴き出していました。

 しかし、iPhoneとAndroidによって制圧されてしまった現在とは違って、世界各国のそれぞれのメーカーが独自のアイディアによる開発を繰り広げていました。

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