【今週の弱ペダ】「第11話」~聖母・荒北が戦女神へメガシンカ~『弱虫ペダル GRANDE ROAD』腐女子的レビュー

2014.12.22

――今年も腐女子の“トライアスロン”がやってきた! 今夏に最終回を向かえた『Free!-Eternal Summer-』に引き続き(?)アニメ2期となる『弱虫ペダル GRANDE ROAD』が放送開始。そんなことで、今回もやってしまいます!! 『弱虫ペダル 』腐女子的レビュー!※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。

■『弱虫ペダル GRANDE ROAD』
ROAD.11「サバイバル」

弱虫ペダル GRANDE ROAD公式サイトより。

■前回までのあらすじはこちら

 あまりのシリアスぶりにチャリンコ乗ってんだかガンダム乗ってんだかわからなくなってきました。みきぽです。

 広島呉南工業高校(以下、呉南)の待宮との勝負に勝った、箱根学園(以下、箱学)の荒北。力尽きて倒れそうになったところを箱学の真波と総北高校(以下、総北)の小野田が支えます。口々にすごかったと褒められ“照れギレ”する荒北もまた、自分の全力に何気なくついてきた“不思議チャン”二人に「とんでもねぇモン運んできたんじゃねえのか……?」と漏らします。そして、目の前には先頭を走っていた箱学の福富・新開と総北の金城・今泉! 京都伏見高校(以下、京伏)の御堂筋・石垣もいます。袖で汗拭く荒北めっちゃかっこいい! “男”って感じ!! 荒北かっこよすぎて腐女子の私より乙女の私が飛び出しそうになります(笑)。

 今泉と金城に迎えられる小野田、どう見ても夫と妻と子供です。本当にありがとうございました(腐女子目)。箱学に迎えられた荒北も、新開にさりげなくタッチされ(不純に見えるのは私の目が悪いせい……)、うっかり真波にヤンキーな過去をバラされそうに(笑)。並んで走る荒北に小野田がたくさんお礼を言うと、荒北はやっぱり「礼とかウゼエ」と受け取ってくれません。昭和男か! 自分、不器用ですか!! でも口が悪くて乱暴だけど熱くて優しいってわかってるから、小野田もビビりながら付いてきたんですよね。“協調”を信用して……ハッ、これが荒坂か!! 第一印象が悪いほど恋したら最高な現象か!(目覚め)

 そんな荒北も、堂々と前を走る福富に手を向けられて「注文キツすぎなんだヨォ、福チャァン!」と思いっきりタッチ。福富は「お前ならやれると思っていたからな、荒北」と当然のごとく受け入れます。この王者! チャリサーの姫!!(※この人のために頑張りたい、世話を焼きたい! と思ってしまう弟タイプ主将のこと。愛され福富。) そして後続の箱学の東堂と泉田、総北の田所と鳴子と巻島も到着。すっかり荒北に置いて行かれた東堂、全力でスネてます。巻島の時もそうですが、褒められるにしろdisられるにしろ、自分が素通りされるのは何より許せないんでしょうか……(笑)。走りながら口喧嘩する荒北と東堂がヒートアップする前に、パワーバーを持ってサッと割って入る新開。いつでも鞄からアメちゃんが出てくるおかんか!(笑)

 いよいよ6人全員揃い、勝負の始まる総北と箱学。応援席にも久々に手嶋たちが揃いました! あれほど心配してたのにドヤ顔で「ボクは信じてましたよ!」と叫ぶ総北の杉元、ちゃんと今泉にサコッシュ渡せたかな……(笑)。一方、協調するはずだった呉南が消えた京伏は、石垣と御堂筋の二人だけ。けれど御堂筋はまったく陰ることなく歯を鳴らし「追いつかんかった言うことは、それまでの奴らだった言うことや」と笑います。“純粋”に勝利を求めなかったから広島は落とされた……御堂筋はそれをスッパリ切り捨て、6人で走る総北と箱学に目を向けながら、これからメンバーがどんどん“落ちていく”と示唆。心配する石垣に、「ここからが本当のサバイバルや」と舌なめずりをするのでした。御堂筋、相変わらず幼女力(※純粋で愛らしく、それゆえに残酷さを見せること)高いなぁ……(うっとり)。

 インターハイ最終日、レース後半。この中から確実に総合優勝者が出る、今までとは違う、ヒリヒリした空気に小野田が圧倒される中、福富と新開が飛び出します。それを追って田所と金城も飛び出し、新開を牽制! 軽口をたたく田所と新開の後ろで(田新の予感!?)、いつ最後の戦いが始まるかと読み合う金城と福富(福金の確信!!)。選手としての絆を取り戻した後は、主将として正々堂々戦うんですね、かっこよすぎ! スポーツっていいな、死なないから何度もやりなおせていいな……(前ハマっていたジャンルが血を血で洗う戦国だった腐女子より)。

 列の最後尾でプレッシャーに飲まれ、何かできることはないかと緊張で固まる小野田。その肩をそっと叩いて「今は楽しめ、この緊張感を」と声をかけたのは……出ました巻ちゃん! 元祖・聖母!! 荒北が箱学の聖母なら巻島は総北の聖母である……(※個人的視点です)。神の子、もとい生まれたばかりの妖怪ペダル回し・小野田を自転車の道へ導きし者。何度も挫かれ、絞られ、ようやくインターハイのゴールを戦えるところまでやって来た。巻島たちが3年間ずっと夢見てきたこの状況、そんなところに“6人全員”でいる……飛び出しかけた東堂をしっかり牽制しつつ、髪をなびかせて「楽しいだろ、小野田!」と笑う巻ちゃん、もう“聖母”以外に表現する言葉が見つかりません(腐女子脳)。その言葉に小野田も一番力を出せる“自転車の楽しさ”を思い出し、目を輝かせます。巻ちゃんうれしいよね、初めての“クライマー”の後輩とインターハイまで来れてホントに……思わずグッと熱くなります(涙)。

 短かった3年間、けれど長かった3年間。呉南を落とし、2人のクライマーを連れ、箱学の真ん中で走る荒北は「そろそろオレの仕事も終わりだな……」と感じていました。そして燃え尽きる前の全身の毛が逆立つような興奮に身を任せ、新開を下がらせて先頭に出ます。箱学を背負い、今までで最高潮の引きを見せながら「このままエース積んでゴールまでだって行ってやんよォ!」と叫ぶ荒北。けれどその走りに、荒北をずっと見てきた福富は“何か”を察します。“ゴール前”みたいな異様な引き……総北と京伏をグングン引き離して先頭に出る、その迫力に小野田は「やっぱりすごいです、荒北さん」と声に出さず感動。言ったらきっと怒られるけれど、憧れずにはいられない。小野田にとって荒北は、この後もずっと忘れない大事な先輩になるんですかね……巻島みたいに。

 スプリントラインを前に、声援もゼッケンも気にも留めずひたすら走る荒北。その頭でたった一つ考えていたのは、今まさに自分が引いている“福チャン”のことでした。入部初日から「インターハイに出る」と宣言して先輩に笑われ、福富に「人の3倍練習しろ、毎日だ。お前一人でだ」と“鉄仮面”で告げられた2年前。あまりに遠い目標とキツい練習に何度も自転車を投げ出し、時に福富にインターハイについて詰め寄ると「出なければわからない」と繰り返し言われたこと。それでも一人で走り続け、ようやくインターハイまでのぼり詰めた今日。荒北は、福富に与えられたものをようやく理解しました。「インターハイ、ラストステージの先頭は、半端なく気持ちいい!!」。

 最高にやりきった笑顔で輝いた荒北。けれどそこで体力が尽き、サドルに座り込みます。新開が前に出ると、荒北はそのままゆっくりスピードを落とし……異変を察した新開が手を伸ばすも虚しく、あっという間に箱学の集団から脱落します。ペダルをゆるめて下がっていく荒北に振り返るチームメイト。静かに走る荒北は、一人だけ振り返らずゼッケン“1”を背負って力強く走る福富の背中を見つめながら、ずっと支えにしていた「お前にだけは褒めてほしいんだ……」という願いを心の中でこぼします。誰に褒められても「うっせぇ!」と跳ねのけていた荒北が3年間、唯一信じて走った福富にだけは……。中学時代に野球で挫折して折れ曲がり、けれど「もう一度賭けてみたい」と自転車を始め、毎日乗り続け、前だけを見て3年間走りまくった荒北。福富の「一人で練習しろ」という言葉は、自分のひねくれた性格をわかってたからだろうと、今ならわかる。それに答えるように、福富は「ああ、靖友。お前は最高の走りだった」とつぶきます。

 福富、ここで初めて荒北を“靖友”って呼ぶんですね……(号泣)。福チャンと呼ばれてもずっと苗字で返していたのが、名前呼びに……。今まで荒北が恩を感じていて、福富が荒北を育てるという自転車を通した“主従関係”に近かったものに、荒北が“最高の走り”を持って答えたことで、初めて“友人”になれたんだなぁ……。今までもチームメイトであったことはたしかだけど、友人って「対等」であって、「信頼」がないとなり得ないから、3年前に自転車を始めたばっかで急成長した荒北を、福富が一人の選手として、ひいては自分を脅かす“ライバル”として認めたのかなと思うとおおおおお!! ああ゛あ゛あ゛!!!(処理落ち) 最初は福富を煙たがっていた荒北が、いつの間にか福富を認めて、憧れて、たった一人だけ“褒めてほしい”と思うようになるのが尊すぎます。福富も同じく、ただの絡んできたヤンキーだった荒北を認めるようになって……美しすぎか……。

 もう、つらいよ、福荒が尊すぎてペダルがつらいよ!!! これホモなんて呼べない、ていうかホモじゃない! 多感な10代がすべてを賭けた場所でしか生まれない、濃密で純粋で、ひたすら熱い男同士の物語だよ……! でも私の第二の人格が「ホモ」って囁くの!!(腐女死)

 スプリントラインを越えていく箱学の後ろで、一人取り残された荒北の横を小野田たち総北も通りすぎていきます。「後は頼んだぜ」と言い残して止まる荒北に、振り返って「荒北さん!」と叫ぶ小野田。さっきまで一緒に走っていた選手の脱落、けれど気に留めず走り続ける総北。たまらず荒北のことを呼びかける小野田を「あの人は力尽きた」と今泉が止めます。……ってなんか荒北死んだみたいじゃん! 今泉!! これ自転車アニメだよ、『ガンダム』じゃないんだよBGM!!(笑)。号泣しつつも私の第二の人格が「戦争か!」とツッコミをやめてくれません(笑)。「たった一枚のジャージを届けるためにほかの5枚は必ず犠牲になる、それがロードレースというものだ」と小野田に聞かせる今泉。それをわかっているから先輩たちは振り返らない。知識では聞いていたものの、いざ目の当たりにするとあまりにも辛い……。

 荒北を振り落として走る新開もまた、自分が挫けていた時に荒北に助けられたことを思い出していました。ここで走っていられるのは、荒北がいてくれたから……。東堂は荒北にカチューシャをバカにされたことを思い出しつつ(笑)(どんだけ根に持ってるんだ!)、すぐ部を辞めると思っていた荒北がインターハイまで来たことを褒め称え、「大したものだよ」とその意思を受け継ぎます。泉田も荒北から教えられたことを背負い、真波も「荒北さん、すごい人だったな……」と……って真波なんか軽くねぇ!?(笑) 何だこの“いい人だったのに(棒)”みたいなあっさりコメントは! 塩対応か!!

 そして福富も「靖友、お前なしではこのチームは成立しなかった。最高の走りだった」と“箱根学園”のジャージをゴールに届ける意思をあらためて強くし、ペダルを踏みます。荒北の脱落に、一人だけ振り返らなかった福富。それは自分がなすべき“ジャージを届ける”という仕事を誰よりもわかっていたから……。福ちゃん、本当に主将だなぁ。何もかも背負う覚悟ができてる。そして心の中でも”靖友”って呼ぶんですね……もうこれ荒北に聞かせてあげたい、と思ったんですが荒北は多分聞かなくてもわかってるからここまで走ったんですよね……(号泣)。

 Cパートは、インターハイ2日目夜にロビーでうたた寝をしている荒北。福富によく冷えたベプシ缶を首に当てられて飛び起きます。福ちゃん、意外とおちゃめなとこあるんだな……(笑)。部屋に戻れと言われ、「福チャァン、連れてってヨォ」と半分寝ぼけながら甘える靖友に「自分でやれ」とまったくつれない“鉄仮面”福富。拗ねながら「明日はオレがゴールまで引っ張ってやっから」と軽口を叩くも、やっぱり福富は「箱根学園のメンバーとして当然のことだ」と一言。その横顔にちったあ愛想よくできねえもんかな……とあらやだ。何やらBでLな雰囲気!!! と思いきやイタズラを思いついた荒北、思いっきりアゴを出してアントニオ猪木のポーズで「オレはツヨイ!」と福富のモノマネ!!(笑) に、似てねぇ~~~!!!(笑)それでもピクリとも笑わない福富に「鉄仮面!」と言い捨てて部屋に戻る荒北。それを見送った福富は、ちょっとだけ口元が笑っていました……。

 わしこういうの同人誌で読んだわ……100000冊くらい、読んだわ……(昇天)。何なんですかCパートは! ガッツリ掴んで離さない作戦ですか! 負けるわ!! 何なんですかこの荒北靖友とかいう……萌えを煮詰めて固めたようなものはさーー!! 男子高校生って尊い。みんな、尊い……。そんな原点の感情に立ち返りながら、来週を待つのでありました……。

【今週の私的見どころ!】
・ 荒 北 靖 友

【今週のBL耳】
・いやぁ…もうすごかったから荒北さん♡(by真波)
(文/祭屋みきぽ)

編集部オススメ記事

注目のインタビュー記事

人気記事ランキング