アニメ『キュートランスフォーマー』声優&監督インタビュー!人気男性声優がガチンコ潰し合い!?

2014.12.01

 2014年に30周年を迎えた『トランスフォーマー』に、同じく35周年を迎えた『チョロQ』が融合! 『チョロQ』風にデフォルメされた”キュート”な『トランスフォーマー』が『キュートランスフォーマー』だ。
 
 今年8月に、無理ゲーとして名高いファミコンソフト『トランスフォーマー コンボイの謎』をリメイクした『キュートランスフォーマー 帰ってきたコンボイの謎』がアプリゲームとして配信スタート。原作ゲームの“開始2秒で死ぬ”という理不尽な難易度の再現っぷりが大きな話題となったが、来たる2015年1月、いよいよオリジナルアニメのオンエアがスタートする。それに先駆けて、声優の細谷佳正(オプティマスプライム役)、木村良平(バンブルビー役)、鈴木達央(ロックダウン役)、監督の石ダテコー太郎(代表作『gdgd妖精s』、『直球表題ロボットアニメ』、『てさぐれ!部活もの』など)にインタビューを敢行! キャストの素の表情が見え隠れするアドリブ満載な作品の見どころや、「勝負している感覚があった」という収録中の様子を伺った。

――本日、全13話のアフレコが終了したそうですが、今の感想を教えてください。

細谷佳正(以下、細谷) 毎回お題が独特で、それを解釈するのに手こずっているうちに終わってしまった感じがあり、あんまり終わったという実感がないです。

木村良平(以下、木村) アドリブ収録中に「今回が最後だ」という話題が出て、やっと「最終回だ」と気づいたくらいですからね。1話が3分半という尺の短いアニメですし、何本もまとめて録っていたので、「やっとここまでやってきました」なんて気持ちにはまったくならなかった(笑)。

鈴木達央(以下、鈴木) 終えた感がゼロというのは共通しています。収録中は、演じているようで演じていないような、芝居をしている身としては不思議なところを行ったり来たりしている状態だったのでした。それを続けているうちに次第にクセになってきたのが面白かったですね。

――『キュートランスフォーマー』は、今年12月から来年4月にかけて実際に玩具として発売される約20体のキャラクターがアニメの中にも出てくるそうですが、豪華なゲスト声優さんたちがそのキャラクターを演じられるそうですね。

石ダテコー太郎(以下、石ダテ) まず、昔からのアニメのファンと最近の実写映画のファン、そのどちらにとっても楽しめるものにしたいと考えました。さらにDLEさん制作ということで『鷹の爪』シリーズのノリを期待している方や、自分がこれまで作ってきた『gdgd妖精’s』や『てさぐれ!部活もの』のようなアドリブアニメを見てくださった方など、全然違うターゲットを意識しつつも皆さんそれぞれに面白いと思っていただけるよう、心がけて制作しました。それから、こんなにも豪華なキャストさんに出演していただくことで、女性アニメファンの方々にも見ていただけるかもしれないと、気をつけたこともありました。『キュートランスフォーマー』のコンセプトはライトユーザー向けでありながら、初代アニメを踏襲したキャラクターが出てくる、シリーズの記憶を引き継いだ作品ですので、コアなファンの方にも楽しんでいただけると思います。

鈴木 毎回登場するゲスト声優の方たちが確実に爪跡を残していく方ばかりで、自分の良いところを引き出してもらいましたし、そんな方たちとの掛け合いの妙はこの作品ならではの魅力かと思います。

――『トランスフォーマー』は30年続く歴史あるシリーズですが、作品との思い出や、それを踏まえて演じる上での心構えなどありましたら教えてください。

細谷 小さい頃夕方にやっていたアニメに始まり、最近のハリウッドの映画も見ていますが、『キュートランスフォーマー』はパーキングエリアでキャラクターが喋り続けるという作品ですから、真剣すぎるとかえって良くないと思いました。なので自分が着ぐるみの中に入っているつもりでやると面白いんじゃないかと思って演じました。

木村 過去作品はそんなに意識はしませんでした。『キュートランスフォーマー』がゆるめの雰囲気ということもあり、あまり身構えないほうが良いかなと。

鈴木 映画などにも出てくるキャラクターを、こうやって別の形で演じることができるという個人的な嬉しさはあります。とはいえ、それはそれと割り切って、『キュートランスフォーマー』ではDLEさん得意の会話劇、という部分をしっかり汲み取るよう意識して収録に臨みました。

――石ダテ監督はこれまで『gdgd妖精s』、『直球表題ロボットアニメ』、『てさぐれ!部活もの』など、女性声優中心のアドリブ劇・会話劇を手掛けてこられましたが、今回初めて男性声優中心の作品を監督されてみていかがでしたか?

石ダテ 実は、男性声優は「かっこよさ」が求められる職業というイメージがあったので、面白いことを追求するのは難しいと思っていたんです。ですが、こんなに楽しんでやってくださるんだというのを目の当たりにして、嬉しく思いました。男性声優さんは20代の間はカッコよく見せようという意識が働く方も多いように思ったりもするのですが、30歳を過ぎたあたりでギアが変わるのか、急に面白方面にシフトチェンジするみたいなんです。今回出てくださった皆さんは、丁度そのシフトチェンジのタイミングでもあったようです。それから男性声優同士のアドリブは、どこか勝負をしている感じがあって、女性声優同士のアドリブとはまた違った面白さがあると思いました。

――アドリブ収録前にある程度の打ち合わせはあるんですか?

細谷・木村・鈴木 ないです(笑)。

鈴木 「今回はお前を先に潰す」というような自分の中でのプランはありますが、それを相手に悟られないようにしつつ、ここぞというタイミングでサンドバック役を目線で決めていました。

木村 収録そのものはノープランだから、尺が足りてないのに早々に盛り上がってしまったときの恐怖もあるよね。

鈴木 そういう煮詰まった時や無茶なお題が出て困った時は、大体「じゃあ司令官は?」ってオプティマス役の細谷さんに投げていました。さすが頼り甲斐のある、殴り甲斐のある司令官でした(笑)。

――無茶振りも多々あったのでしょうか?

鈴木 「トンチを考えろ」ってお題が一番キツかったですね。3人とも戸惑って、なるべくその話題に触れないようにしてました(笑)。

石ダテ 勝負しながらも、そうやってブースの中で一致団結した空気になっているのも面白かったですね。

 といった具合に、打てば響くキャスト陣と監督のやりとりに、取材現場は終始笑い声に包まれていた。

 アニメ『キュートランスフォーマー 帰ってきたコンボイの謎』は2015年1月6日火曜日より、TOKYO MXはじめ、YouTubeやニコニコ動画、さらには街頭ビジョンでもオンエアされる。既にリリースされているゲームや、アニメと同時期から毎月発売される玩具と併せ、来年は『キュートランスフォーマー』から目が離せない!
(取材・文/魚屋スイソ・有田俊[シティ・コネクション])

■『キュートランスフォーマー 帰ってきたコンボイの謎』
http://www.qtransformers.com/

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