「深夜アニメ 闇夜の千本ノック」【2014年 夏】

『さばげぶっ!』は玄田哲章のツッコミ解説と持ちキャラのパロディを楽しめ!【第一話レビュー】

2014.07.20

――ジメジメ蒸し蒸し、鬱陶しい梅雨空と台風をスカッとアニメでぶっ飛ばせ! 7月より放映開始された2014夏の深夜アニメの第一話をレビューして、オススメ作品をコンセルジュする連載「深夜アニメ 闇夜の千本ノック」! ※放送日などは全国ネット及びTOKYO MXに準拠します。

【6日(日)編】

■『さばげぶっ!
第1話「入部!/入部と言ったな?あれは嘘だ/本当はリアルなサバゲをやるつもりでした」

さばげぶっ!公式サイトより。

 講談社刊「なかよし」連載の松本ひで吉の原作マンガを太田雅彦監督・大隈孝晴副監督と制作会社studio ぴえろ+によってアニメ化。

 女子高校生・園川モモカは転校後、初日の登校中に電車の中で痴漢に遭ってしまう。ピンチを救ってくれたのはデザートイーグルのエアガンを持つ鳳美煌だった。美煌が同じ学校の生徒であることを知ったモモカは、さらに彼女がサバイバルゲームを行うサバゲ部の部長であることを知る。春日野うらら、経堂麻耶、豪徳寺かよ、そしてマスコット的存在・カモといったサバゲ部の仲間と出会い、モモカはこの奇妙な部活へと入部することになるのだった。

「なかよし」での連載開始時から、少女マンガ誌に似つかわぬ題材ということで話題になった『さばげぶっ!』がついにアニメ化。しかも30分3本立てという、ギャグアニメの放映形式としては相当古典的なフォーマットを採用しています。制作担当のstudioぴえろ+は他社作品への制作協力を多く行っているアニメ会社ですが、自社が元請けとなるのは『テガミバチ』シリーズや『べるぜバブ』以来となるので力を入れているようですね。

 さて原作の雰囲気を比べると、大幅にギャグアニメ寄りに舵を切った作風にしたなと感じました。キャラや画面の色彩設定は全体的にポップな色使いにして、逆に非日常感を強調。コスプレマニアのかよの『バイオハザード』のジルのコスプレネタなど、どこまでギャグに許可を得ているのか気になる部分もありますが、なんといっても最大の魅力はナレーター役の玄田哲章さんにあると言えるでしょう! 正直、面白さの半分以上は玄田さんの低音ボイスによるツッコミ解説と数々の持ちキャラのパロディ(『コマンドー』のジョン・メイトリックス、『ターミネーター』など)に支えられていると思います。サバゲーセンターの店長は明らかに元カリフォルニア州知事のあの俳優でしたし……。

 銃の構え方がどうのこうのガン=カタがどうのこうの、と言ったスポーツとしてのサバイバルゲームを真面目に描く描写はないし、やるつもりもない姿勢の本作。つまりヘンテコ部活動に興じる女子高生がキャッキャウフフする姿(と玄田ボイスの魅力)を愛でるのが正しい鑑賞姿勢なのでしょう。何よりもラストで「サバゲーはほとんどやらないアニメだ!!」と力強く玄田ナレーターが発言しているので、まったく問題無いと思いました!

【こんな作品のファンにもオススメ】
うぽって!!』『ステラ女学院高等科C3部

(文/出口ナオト)

編集部オススメ記事

注目のインタビュー記事

人気記事ランキング