いまだに応募は数えるほど…“二次元規制反対”を掲げるマスコットキャラ公募が明らかにした“関心の薄さ”

2014.01.25

「AFEE エンターテイメント表現の自由の会」公式HPより。

 今月24日に開会した通常国会。今回の会期中には、いよいよ児童ポルノ法改定案が審議されると予測される。マンガ・アニメを愛する者たちにとっては正念場だ。そんな中、審議を前に「表現の自由」を守るため、運動のマスコットキャラクターの公募が行われている。長らく続く児童ポルノ法改定反対運動では初の試みだが、投稿先に指定された「pixiv」や「ニコニコ静画」を確認しても、応募数は十数件とまだまだ少ない。

 このキャラクター公募を主催するのは、エンターテイメント表現の自由の会(AFEE)。この団体は、昨年、二次元規制反対を掲げて、夏・冬のコミックマーケット会場前で街宣を行ったことで知られる山田太郎参議院議員が顧問を務める組織だ。この組織の目的は、日本発のエンターテイメント表現が抱えるさまざまな問題について考え、アクションを起こしたい人々のネットワークを築くこと。昨年開設された同会のサイトは「表現の自由」に関わるさまざまな情報を蓄積するWikiを目指して、目下構築作業が進んでいる。

 今回、キャラクターの募集を行っているのは、ともすれば堅くなりがちな、表現をめぐる問題に親近感を持たせる目的がある。公募で採用されたキャラクターは、サイト内の項目説明やチラシなどに利用する予定だ。

 現在、2月2日を一次締め切りとして募集は始まっている。だが、まだまだ応募数は少ないのが正直な印象だ。同会の担当者に話を聞いたところ「順調に集まってはいると思うのですが……」と言うが、やはり不安を感じずにはいられない。この熱のなさは、もはや多くのマンガ・アニメファンが「二次元規制反対」を諦めてしまったからなのか?

 応募数が少ないという大きな理由は、告知不足である。そもそもAFEEという会自体の認知度は極めて低い。同会では、年末のコミックマーケットの山田参議院議員の街宣時、およびコミックマーケットでのサークルスペースへのビラ配布を行った。しかし、コミケ参加者の中でも演説に関心を持つような人々は、残念ながら一握り。サークルスペースへのビラ配布は、それこそ“千三つ”である。

 その後のツイッターなどでの告知によって徐々に同会およびマスコットキャラクター募集は、知られつつある。だが、認知度を高めるためには、まだ工夫が必要だ。失礼ながら、二次元規制の問題に興味を持つマンガ・アニメ愛好者を除けば、山田太郎参議院議員と山本太郎参議院議員を混同している人も多い。

 さまざまな問題はあるが、マスコットキャラクターを用いて、問題を知らしめるというのは、極めて新しい試みである。絵心があって「表現の自由」に関心のある人は、応募してみても損ではない。
(取材・文/昼間 たかし)

■AFEE エンターテイメント表現の自由の会
http://afee.jp/

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