日本発売は”最遅”でも売り上げ見込み「全世界500万台」! PlayStation4の可能性

2013.09.26

東京ゲームショウ2013では、PlayStation4が飾られ、注目を集めていた。

 9月19日から22日まで開催された東京ゲームショウ2013。今回、ゲーム業界関係者の中で「目立った話題作がない」と囁かれる中で注目を集めたのが、19日に行われたPlayStation4(以下、PS4)の説明会だ。

 当日の午前10時半からゲームショウの基調講演として始まった説明会の会場は満席となり、前方の関係者席にも来場者を誘導するほど。説明会はPVの上映から始まった。そのPVは、リア充なヤツらが自宅ではPS4、外出中はPSPで仲間たちと盛り上がっているという展開で、余すことなくPS4の魅力を伝えるというものであった。

 登壇した、ソニー・コンピュータエンタテインメントの代表取締役社長兼グループCEOのアンドリュー・ハウス氏は「ゲーム専用機という言い方は古くなった」と語った。コアユーザーの期待に応えつつ、ライトユーザーが、楽しむことができるプラットフォームを提供するのが、PS4の目的だというのである。この目的を実現するものとして紹介されたのが、発売と同時にリリース予定のアプリ「PlayStationApp」である。これは、いわばPS4を軸としたSNSだ。

「このアプリを使えばスマホなどでも、ゲームを実行することが可能です。友達のアップロードしたゲーム動画や、友達がなにをしているかを見ることもできます。もちろん、TwitterやFacebookとリンク可能です」

 ユーザーの嗜好は自宅で腰を据えて、じっくりと楽しむよりも、携帯ゲーム機やスマホやタブレットPCを利用して、どこでも手軽に楽しめるゲームを求めている。そんな中でも、没入感あるゲームを引き続き大事にしよう。しかし、そんなゲームをどうやったら外に持ち出せるか? PS4はこの命題の回答であると共に、一人で楽しみつつ、多人数でも楽しむこともできるという新たな目標にも挑戦しようとしているのだ。

基調講演を行なったアンドリュー・ハウス氏。インディーズ開発者への協力体制をより明確にしていた。

 








しかし、いかにプラットフォームを整えても魅力的なコンテンツがなければ無意味である。今回、ハウス氏が強調したのはPS4のインディーズ開発者に対するケアである。

「ゲーム業界も映画業界のように、ハリウッドのようなものからインディーズのものまである産業になっていくと思います。ですので、PS4は(インディーズ開発者に向けて)開発のしやすさを提供したいと考えているのです」(ハウス氏)

 ハウス氏は、インディーズ開発者のPS4のプラットフォームへの参加を促進するために開発環境を整えるだけでなく流通面でも協力を行っていくことを表明している。インディーズ開発者への手厚い協力体制は、以前より打ち出されているが、この方針に対するレスポンスは大きく「(PS4への)参入表明はE3(Electronic Entertainment Expo 世界最大のゲーム見本市。今年は6月に開催)時点での105社から現在620社に拡大している」(同)という。

 ハウス氏に続いて登壇したSVP(シニア・バイスプレジデント)兼第一事業部事業部長の伊藤雅康氏らは、新型コントローラーのデュアルショック4をはじめ、PS4の新たな機能を説明し、その魅力を余すことなく語った。

PS4の試遊ブースの様子。試遊のために長蛇の列ができていた。

 これまで発表されている以上の目新しい情報はほとんどなかった今回の基調講演。この講演の目的は、開発者に向けてPS4への参入促進がメインだったと考えるのが自然だ。E3以降も、開発者への協力体制を繰り返しアナウンスしていることはハウス氏の発言の通り、着実に成果を上げている。会期中、PS4の試遊ブースに長蛇の列が出来たことも、有効に機能しそうだ。講演の中でハウス氏が示した2013年度中の売り上げ見込みは全世界で500万台。PS4の発売は、諸外国が軒並み2013年中に発売される一方、日本の発売予定が2014年2月22日と大幅に遅れることも話題となったが、まずは、発売に併せて、どれだけのタイトルが投入されるのか、期待したいところである。

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