TVアニメ『無職転生 ~異世界行ったら本気だす』第6話

TVアニメ「無職転生 ~異世界行ったら本気だす」公式サイトより

 今回は一息つくように日常回。エリスの家庭教師として働くようになったルディの日常のドタバタが描かれる。前回は突然誘拐されるというアクシデントがあり、いったいなぜルディまでもが攫われたのかとフィリップに改めて聞くことに。ルディの血筋でもあるグレイラッド家の血筋はこの世界ではそこそこに名の知れた血筋でもあるようで、いくらでも使い道があるらしい。 今回の件は全てギレーヌが解決したといことで口裏を合わせるように言われている。

 ルディの存在を周りに知られるのはなぜかまずいらしい。ルディの預かり知らないところで大人の事情やら政治的駆け引きが行われているようだ。

 こんな話をしているとエリスの母親であるヒルダが現れる。彼女はパウロの息子だというルディを見て、なぜか舌打ちを鳴らしてくる。どうやら嫌われたらしい。さらにフィリップの父でありエリスの祖父であるサウロスも現れる。この祖父にしてエリスあり、と一見して伺いしれるキャラの濃さ。登場してすぐに切れちらかしているような祖父だったが、礼儀正しく挨拶をしたルディのことは気に入ったようだ。この屋敷の滞在をしっかりと許してくれた。

 だがフィリップが少しサウロスの意にかなわないことをいうと吹っ飛ぶほどに殴られて志麻うのを目の当たりにしてしまう。エリスもそうだったがこの男も殴ったことを謝らない。ここに色濃く血縁関係が見て取れる。

 サウロスはルディに、エリスに魔術を教えてほしいと頼み込む。誘拐された際にみたルディの魔法が忘れられず教えてもらいたいと考えているらしい。だがルディはエリスの頼みをなぜサウロスから聞かされるのかがわからない。本人が言うべきでは? と伝えると、自分から頼むのは嫌だと言っているという。頼み事はしたいのに頭を下げるのは嫌だという大人に育てるつもりか、と指摘するとサウロスもそれに納得したのか、大声でエリスを呼び、自分でお願いをするように指示をする。

 今まで祖父に言えば願いは何でも聞き届けられてきたのだろうエリスは自分から教えを乞う事に抵抗を見せた。だが祖父から怒られたらやるしかない。

 突然両手で髪の毛を結びツインテールのようにして「教えてくださいにゃん」と萌えポーズをしだした。ルディは意味がわからず呆然としてしまうが、お願いをするときはこうするといい、と教えたのは祖父と父だったようだ。なんでもこの二人は大の獣族好き。ツインテール部分を耳に見立てているらしい。さすがのルディもこれには堪忍袋の緒が切れたようだ。

 こういった諸々を超え、ルディはエリスとギレーヌに読み書き算術と魔法を教え始めた。ギレーヌからは剣術を学び、エリスと対戦しながら練習を続けた。家庭教師を始めて一か月たつが、魔法は喜んで学ぶが読み書き算術になるとエリスは逃げだしてしまい授業を受けてくれなくなってしまった。

 その日は隠れて馬小屋で昼寝をしていたエリス。起こしても起きない彼女をみてルディはいたずら心で彼女の体を触ったり下着を脱がそうとしてしまう。脱がせている最中にエリスが起きてしまいボッコボコに殴られてしまうルディだったが、ギレーヌに泣きついてエリスが授業を受けてくれないことを訴えて話を逸らすことに。

 ギレーヌはエリスが好みそうな冒険譚を語って聞かせてくれた。ギレーヌも昔は読み書き算術などできなくてもいいと考えていたが、それはパーティを組んでいた仲間がそれらを担当してくれていたからだ。パウロたちが結婚しパーティが解散したあと一人で旅をしていたときに金勘定ができずに困り飲まず食わずで10日ほど過ごさなくてはならなかった時は死ぬ思いをしたという。だからエリスには今からしっかりと学んでほしい、といったことで少しはやる気をだしたようだが、いつまでそれが持続するかわからない。

 逆に剣の授業の時にはルディはエリスに押されてしまう。前世での出来事にも遠因はありそうだが、頭で考えて体を動かす癖がついてしまっている。ギレーヌの考えではルディは魔術師だからそこまで剣に特化しなくてもいいらしい。

 毎日自分で授業を行いさらに剣術を教わって、とかなりハードワークを強いられているルディ。どんなにくたくたになっても明日の教材を作らなければならない。前世では知らなかったお金を稼ぐことの大変さを身をもって実感していた。それもこれもシルフィと一緒に魔法大学に行くためだ。ギレーヌのおかげでエリスも授業を受けてくれるようになったからあと5年頑張ろうとやる気を出したルディだったが、エリスの様子がどんどんおかしくなっていく。

 それは、休みがないから。毎日毎日ルーティンのように同じことの繰り返しにいきがつまってしまうのだ。それに気づいたルディは休暇を取ることに。

 ルディとエリスとギレーヌで休みをとり、共に町に買い物に行くことに。ロアの街はこのあたりでは一番大きな街らしく、市場は大いににぎわっていた。ルディは市場で様々なものの値段を細かくメモをとっていた。相場を調べるのはネトゲの基本らしいが、エリスはなぜルディがそんなことをしているのかわからない。

 同じものが値段違いで売っていた場合にいくら得をするのか、などギレーヌとエリスに問題を出してみたりと、生活の中でいかに読み書き算術が必要なのかを実地でわからせることもできて、この市場散策は有意義なものになった。

 この世界では金貨1枚が10万円くらいの価値があることをしったルディ。並ぶ本を見てみると、植物図鑑が1冊金貨7枚という値段を見て両親が自分に本を送ってくれたことを思い出し改めてその高価さが身に染みる。

 本を眺めているルディを見て、エリスは買ってあげてもいいというが、そういえるのは彼女がお金の価値をちゃんと理解していないからだ。おじい様におねがいすれば買ってもらえるという感覚で買ってはいけないことを悟す。

 自分が毎月いくら得ているかをエリスに伝え、ギレーヌとの差やお金を稼ぐことの大切さを教え込むルディ。納得しかねるという顔をするエリスだったが、少しはお金の大切さを知ったようだ。

 そんな話をしながら歩いていると、天空に浮かぶ城のようなものを発見するルディ。それは高竜王ペルギウスの空中要塞だという。昔パウロ達に読んでもらった話の中に出てくる城が実在していたのである。今この世界にある歴史もこのペルギウスの活躍から数えられているらしい。400年も前の城が今も現存しているのだ。今も彼は生きているのだろうか。ルディはいつかあの城にいけたらいいな、という願望をうっすらと抱きながらこの日の休みを満喫したのだった。

 週に1回の休みを設けてからエリスの機嫌もよくなり、授業もちゃんと聞いてくれるようになった。やはり適度の休みは必要らしい。ある日の休憩中、エリスがルディに、と以前いった市場でルディが見ていたあるものを買ってきたという。それは、高級媚薬。それが何なのか知らずに買ってきてしまったエリスだったがルディが喜ぶと思って買ってきてくれたのだろう。それは嬉しいがその正体がなんなのか知られるわけにはいかないルディ。そのあわただしさに怪しまれ、結局ルディはそれを瓶ごと落として割ってしまう。

 日本円にして約100万円の媚薬が使う暇もなく割れてしまい、泣くに泣けないルディなのだった。

 今回は本当に大きな事件も起こらず、だけどしっかりとエリスやギレーヌたちとの交流や成長が描かれたよい回だった。さらに空の上の城という異世界っぽい伏線も張られたので今後それがどうつながってくるかという楽しみも増えた。しばらくはこの街での生活が続きそうだが、故郷に残してきたキャラクタ―達の活躍はしばらく見られないのだろうか。その辺りの展開も次回以降に期待したい。

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