TVアニメ『魔女の旅々』最終回で主人公が増殖!? タイトルもきっちり回収された最終回

TVアニメ『魔女の旅々』公式サイトより

 とうとう魔女の旅々も最終回を迎える。

 旅を続けてきたイレイナがたどり着いたのは、「あなたの願いを叶える国」。一体どういう国なのか想像もつかないが、「お金持ちになりたい」と願いながら国へと入っていく。

 霧の立ち込める国の中に入ったイレイナを迎えた光景は、今まで彼女がいったことのある訪れた各国の風景。別に過去を振り返りたいなどと願った覚えのないイレイナは困惑を隠せない。

 見知った景色の中に4話の「民を失くした国」のミラロゼと過ごした城を発見。中に入ってみると、眼鏡をかけた自分が「あなたは安全な私?それとも悪者の私?」 と問いかけてくる。

 彼女は自分を「灰の魔女のイレイナ」だと自己紹介。一体どういうことなのか。 話を聞いてみると、なんと現状ここには15人のイレイナが存在しており、イレイナは16人目なのだという。

 現在いるイレイナを紹介してもらうと、ハイのイレイナ、アホの子のイレイナ、女の子大好きなイレイナ、胸の大きさにコンプレックスを抱いているイレイナ、やさぐれたイレイナ、いやらしい(金の亡者)のイレイナ、イタイ(中二病)イレイナ、恋する乙女なイレイナ、心に深い闇を抱えたイレイナが3人、外国人かぶれのイレイナ、ゲル状のイレイナ、グールのイレイナ、そして知的イレイナがいるという。

 便宜上イレイナにも呼び名が必要とのこととで、知的イレイナから命名されたのは「主人公のイレイナ」というもの。無個性という短所的特徴を長所っぽく言い換えた言い得て妙な呼び名である。

 ここに16人ものイレイナが集まっているのは、「悪い私」が紛れ込んでいるからだそう。いきなり攻撃してくる「粗暴な私」がいるために、捕まえるかための作戦を立てるべく籠城しているらしい。

 イレイナは攻撃してくるといえど所詮自分。15人もいるなら相打ち以上の成果が得られそうなもの。しかしそれで万が一粗暴な私を殺してしまった場合、他の自分に影響が出てしまえば元も子もない。故に手詰まりに陥っていた。

 知的イレイナは、作戦の指揮を主人公イレイナに丸投げ。自分のことを利用しようとする自分に対してイレイナはそれなら自分は主人公らしく玉座に陣取り「私以外の私で探索してこい」と命じたのだ。自分の性格を熟知したなんとも性格の悪い提案だ。イレイナ同士で文句を言いあっていると、突然攻撃が仕掛けられる。

 いつぞやの街であったように髪が短いイレイナ。それこそが、粗暴な私の姿だ。

 粗暴なイレイナは主人公イレイナを見てすぐに攻撃を仕掛ける。他のイレイナも全員反撃を行うも、次々に粗暴イレイナにダメージを与えられてしまう。

 主人公イレイナはしばらくは自分以外のイレイナと粗暴イレイナの戦いを傍観していたが、残りが自分だけとなるとそうもいっていられない。だが、相手は自分である。勝てない相手ではないのだ。

 主人公イレイナは粗暴イレイナに髪を切ったままでいる理由を尋ねる。すると、主人公イレイナと同じ体験をして髪を切られ、その後目の前で心を壊される事件があった際に立ち直ることが出来なかった自分の姿なのだと思い至る。粗暴は主人公に、「この気持ちがあなたにわかるか?」と問いかけるが、主人公は「全然わからない」と彼女の問を鼻で笑って見せる。

 粗暴はおちょくられたことに怒り、さらに口を滑らせていく。彼女はとにかく自分自身に対して怒っていたのだ。ひどい現実を目の当たりにして何もできなかった自分を責めている。だからあんたなんか死ねばいいのに、と思ってしまう。辛い思いをせずにのうのうと生きている自分が許せないと、がんじがらめになってしまっているのだ。

 二人はお互いの体力・魔力が尽きるまで戦うも決着はつかない。ボロボロになってお互い倒れこんだ中で二人は話を始めた。主人公イレイナはこの街に入った時になんとなく願ったことを粗暴に話して聞かせた。「他の私に会うためにここにきた」という願い。旅を続けているとそれは出会いと別れと選択の連続。もし自分が選ばなかった方の選択をしていたら、そのあとはどんな出来事が待っていたのか。それを垣間見たいと考えたところ、沢山の自分に出会った。

 粗暴もその中の一人。主人公も髪を切られ、10年前に戻り、どうしようもできない悲しい出来事に対峙したけれど、それでも今も変わらずいつものイレイナとして旅を続けていた。粗暴は、その時に選ばなかった選択の成れの果て。だから、今回出会えた。

 粗暴は主人公イレイナに憧れを感じ、粗暴自身も悲しい出来事を体験しなかった自分に出会いたいと願ったからここにいるのではないだろうか。

 二人はお互いが出会いたがっていたように残りのイレイナたちもお互いの旅の過程をしりたいだろうと考えそれぞれが書いていた日記を回し読みする。

 イレイナたちは母に言われて日記を書き始めた。だが、これを本にしたらどうだろうと体なし、それぞれが本のタイトルを考え出した。会議のすえに、本のタイトルは決まり、主人公と粗暴は今後どのように旅を続けるかを話しながら手を取って眠りについた。

 目を覚ますとイレイナは一人だけ日記を抱きしめて眠っていた。その日記には皆で決めた本のタイトル「魔女の旅々」が記されていた。その後もイレイナは旅を続ける。いつものように自信たっぷりで、過度にナルシストで。沢山の人と出会い、別れ、選択を繰り返す。

 そして、どこかの街で同じような装丁の本を抱えた少女と出会う。その少女は近い未来一緒に旅をしているのだという。これは、2期のフラグなのか!?

 今回は主人公一人が20名近くのキャラを演じ分けていてエンドロールが大変なことになっていたが、最終話にふさわしい内容だったように感じる。

 いつかまた、イレイナの旅の話が聞ける日を楽しみに待ちたい。

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