TVアニメ『池袋ウエストゲートパーク』話の中心が池袋に戻ってきた?第10話

TVアニメ『池袋ウエストゲートパーク』公式サイトより

 冒頭突然「この男を一生杖がないと歩けないようにしてほしい」と、スマホを見せられやたらと物騒な依頼をされる所から始まる。葉山チヒロというその依頼人は、そのスマホの中の男、音川に兄を襲われ、膝の皿を割られて一生杖が無いと歩けない体にさせられ、料理人という仕事を失ってしまう事態にされてしまったのだ。

 この時の被害額はたったの3000円。 この3000円で兄は仕事も夢も失い、障害を負ってしまったのだ。さらに犯人の音川は事件の際にはまだ未成年。少年院に入ったもののたった七ヶ月で社会復帰し、今はぶらぶらと生活をしている。

 チヒロは兄を思うと音川が何も失わずに平穏な生活を送っているのが許せない、とマコトに依頼を持ちかけてきたのだ。マコトは自分に依頼したことはチヒロにとっても良いことだったといい、チヒロが相手の足を潰したいと願うことは相手と同じところに落ちるだけのものである。だがそれでもチヒロの恨みは大きいらしく引き下がらない。とりあえずこの話をマコトで預かることに。

 だが、翌日警察の横山から酒を飲みに行こうと誘われた際にチヒロから音川を尾行しているという連絡が来てしまう。なぜ1人で行動するのかと、マコトも慌てて現場に向かうことに。向かう最中、横山に音川のことを調べるように連絡し、チヒロと合流をはたす。

 音川を初めて見るが、聞いていたような犯罪を起こすようなタイプには見えないおとなしそうな印象の男だった。さっそく横山から音川についての情報が寄せられるが、彼は元々いじめられっ子であり、同級生に強請られそれに切羽詰まったことでチヒロの兄を襲ったということだった。

 常にいじめられていた音川だけが少年院に入り、彼らをいじめていた奴らは厳重注意だけで済んだのだという。さらに音川は少年院から出た後もまだなおそいつらに絡まれ、金を無心されている様子もある。その姿をチヒロにも見せ、それでもまだなお彼の足を潰せというのか、と問いかける。
 
 チヒロはその事実を知り、どうしたらいいのかわからなくなったが、それでも何もしないわけにはいかないという。マコトは肝心の彼女の兄に会ってみたいと告げ、被害にあった兄・ツカサの気持ちを確かめることに。

 ツカサには音川が戻ってきていることは内密にし、マコトを新しくできた彼氏として挨拶にきた体で接触させることに。

 兄に挨拶にきた彼氏、という設定だからかバラの花一輪を抱えてスーツで登場したマコト。本人はノリノリだが確実に似合っていない。きっちりとツカサに挨拶を済ませる。料理人をしていただけあり、マコトをもてなす料理は全てツカサ作。かなり美味しそうだ。料理を頬張りながら彼ら兄妹のバックボーンを探っていく。

 二人は両親を幼いころに亡くし、妹に美味しいものを食べさせたいと料理をし始めたことがきっかけで料理好きになった兄。一緒に店を出すという夢を持っていたが、兄の事件によってそれは潰えてしまった。彼の足はチタンのワイヤーで吊っているため、三時間以上立っていることが出来ないのだという。

 この話題になったことで、マコトは機を得たとばかりに犯人についてツカサがどういった気持ちを持っているのかを聞きだすことに。

 ツカサは、事件の直後は犯人を殺してやりたいと思ったという。だが、それを実際に行ってしまうと社会的に自殺することと一緒だと大人の回答を出してきた。一度犯人と対峙してじっくり話してみれば、そいつがケダモノではなく人間なのではないかとかすかに希望をもった言葉を聞かせてくれた。

 だが、その言葉とは裏腹に池袋の街中で音川を見かけてしまったというツカサ。かなりの動揺を見せ、怒りで体を震わせ包丁を研ぎ始めた。いつもの兄との様子の違いにチヒロも動揺しすぐさまマコトに連絡を入れた。

 マコトは考えがあると電話を切り、音川に接触を試みた。自分はある人に頼まれて音川をずっと見張っていたことを告げる。そして音川が悪友に脅されていることもしっており、その流れを断ち切るために、音川をG-Boysに入れることが出来るを伝えた。

 するとタカシも現れ、キング本人から彼をメンバーに加えることは可能であり今後誰かに脅されたらタカシの名前を出すことを許可してくれた。

 その代わり、音川には会ってもらう人がいるといって連れ出しチヒロたち兄妹と対面させることに。

 マコトは自分はチヒロの彼氏ではないことを告白し、音川にもツカサが被害者であることを告げて対峙させた。ツカサは音川になぜ自分を襲ったのかを訪ねた。音川は襲う相手は誰でもよかったこと。ずっといじめられており、あの時もいくらか持っていなかったらまたやられてしまうと犯行に及んだのだった。さらに父子家庭だったこともあり、小5からずっと続くいじめにこたえていたことも原因の一つだったようだ。

 そんな身勝手な告白を聞いて、はいそうですかとは言えない。チヒロは自分たちも両親亡くし、二人で協力して夢をかなえることを楽しみに生きてきた。それを壊したのだということを聞き、音川は自分のおこした罪の大きさに絶望させられる。
 
 ブラブラと生きている奴に、生活を壊されたとチヒロは言うが、彼はただブラブラしていたわけではなく、少年院からでてきたことでずっと周りから咎められているように感じてしまい委縮してしまっていたというのだ。

 だがそれで同情されるわけでもなく、罪が消えるわけではない。こうやって怪我を負ってそれでも生きていかねばならないツカサがいるのだ。彼はその罪を受け入れたうえで何ができるかを考えるようにと言われる。タカシも彼がその答えを出すまで、G-Boysは待ち続けると言ってくれた。

 ツカサも彼を見て煮えたぎった気持ちを落ち着かせ、彼も変わることができることを信じ、音川を許すと伝え兄妹と音川は和解する運びとなった。

 その後、音川を脅していた悪友たちにG-Boysが対面し今まで巻き上げた金を全額返済させることに成功。そしてチヒロたち兄妹はフードトラックを始めることにしたという連絡が入った。この計画には音川も協力するらしい。

 結果的に被害者と加害者を直接対面する、修復的司法という方法で解決するに至った今回。お互いの回復と再生を目指すリユニオンさせる目的で現実的にも取り入れられ始めている手法なのだそうだ。

 マコトという存在が今回のような結果を導き出すことが出来て、池袋も安泰だ、などと話していたのだが、その裏でG-Boysとレッドエンジェルスたちの確執は大きくなっていっているようだった。

 まもなく最終回間近ということでやっと本題に入ってきた感がある。次回からどういったきっかけで両チームが敵対していくのか。楽しみである。

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