TVアニメ『ひぐらしのなく頃に』どうにもならない現状を打破すべく動き出した第11話

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　圭一が頭を撫でようとしたことから突然取り乱す沙都子。その姿は見る者を皆涙ぐませるほど壮絶なものだった。だが、担任の知恵がクラスのただならぬ雰囲気に気付いて教室に入ってくると、沙都子は今までのことがまるでなかったかのようにふるまう。その様子にもまた、クラス全員が唖然とするほかなかった。

　放課後、梨花は一緒に帰ろうと呼びかけるも沙都子は拒否。取り付く島もない。レナも魅音も梨花もただただうなだれるばかり。何もできない自分を恥じるだけだ。だが、そこに突然詩音が押しかけてくる。見てみぬふりして何を日和っているんだと怒鳴り散らす詩音。彼女は沙都子の味方であることを約束したのだから、周りくどいことなどせずに、直接叔父をぶっ殺すしかないとまくし立てる。

　レナはそれは最前手ではない、それは正しいことではないといい、圭一も殺しに行くと言って聞かない詩音を止めるために立ちはだかる。

　人殺しをすれば、沙都子をいじめる者はいなくなる。だけど、そうすると詩音は逮捕され、沙都子はそれを自分のせいだと責めるのは確定。全員が笑って元の生活に戻るのを第一にするならば、短絡的に行動するのはNG。だが代案はすぐには出てこない。

　詩音は怒りに任せて圭一にイスを叩きつける。それでも一歩も引かない圭一。さらに梨花がそれに加勢したことで、詩音も少し落ち着いたのか、圭一の話を聞く気になったようだ。

　皆で思案した結果、沙都子の事情を知っている自分たちが役所にいって訴えることを考えつく。相談所の人は先生たちから話を聞いているが、それはうわべだけのこと。沙都子と叔父の生活については、レナや魅音、梨花のほうが詳しい。

　児童相談所でみなを出迎えた相談員は、沙都子が健全な生活を送れるように指導していく、と気のない返事。あまりに杜撰そうに見える態度に詩音はいら立ちを隠せない。さらに訴えるも、プライバシーで答えられない、前向きに検討しますなど、体よくあしらわれてしまう。

　児童相談所は頼りにならないという事実を突きつけられ、みな、落胆の色が隠せない。

　圭一はぽろりと「打つ手なしか」とつぶやいてしまう。その言葉をきいた梨花は圭一の前に立ちふさがり、圭一の口からそんな言葉が出るなんて信じない、と涙をためて告げた。彼はこの言葉を受けて自分が諦めそうになっていたことを恥じ、仲間たちに対しても「これが部活だったら全員負けだ」と鼓舞してまだまだこんなので終われないと励ました。

　そして翌日、クラスメイト全員に呼びかけ共に沙都子を助けてほしいと願い出た。沙都子が風邪で休んでいるのではなく、皆も知っている通り叔父にいびられていること。児童相談所が助けてくれないことを呼びかけ、正攻法で愚直に戦いたいから力を貸してほしいと頼み込んだ。5人ではなく、雛見沢分校スピリッツで全員で児童相談所に談判に行こうと呼びかけた。

　この呼びかけにクラスメイト達は全員賛成し、さらには担任の知恵も同席を願い出てくれた。

　昨日よりも人数も増え、さらに担任も含めて合計16人で、沙都子の件が緊急性の高いものであることを陳情しに来たと訴える圭一たち。児童相談所側も、あまりの気迫に根負けしたのか子供相手の対応とはいかないと思ったのか、きちんとした席を設けてくれた。

　だが、彼らはトラブルがあったことは確認しているが昨年までの通報には北条鉄平の名前が挙がっていないことなどをあげ、虐待にはあたらないという認識だと返答してきた。

　1年間育児放棄していたのも、出稼ぎに出ていたため、仕方がないと報告されていたこと、さらに沙都子本人に鉄平と住み続けたいかと確認した際に「イエス」と返事がきていることなどを挙げた。

　これらの返答が全て圭一たちとの見解と一致していないのは明らかだが、役所は考慮するとしかしてくれない。もしこの判断の遅れで沙都子に何かあったら責任が取れるのか、結果を出す期限を教えてくれ。というこちらからの質問は全てのらりくらりとかわされてしまう。

　結局今回も何も進展しないまま相談所との面会は終了。だが、クラス全体の団結する様子がダム戦争の時を彷彿とさせる。生徒たちも明日も児童相談所に乗り込む際に行ける人を連れてこようと大張りきりだ。

　梨花は、この様子ならもしかしたら全てはうまく事が運ぶのでは、と期待した表情を浮かべるが……。

　雛見沢の方向へ「オヤシロ様の使い」と呼ばれている大石が向かっている姿が映された。その不敵な笑みは、どこか不吉な予感を漂わせる。

　この祟騙し編の結末はどうなってしまうのか。沙都子の虐待シーンが映っていないことなどが不安材料としてあげられているが……。今回もバッドエンドを迎えてしまうのだろうか。ああ、気になる。