TVアニメ『魔女の旅々』まさかの「一部刺激的な表現が含まれている」で鬱化が止まらない？第9話

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　今回は、冒頭から「一部刺激的な表現が含まれている」という不穏な警告文がついてスタートする。そこからもわかるように、今回はちょっと重たく、辛い話だ。

　金欠でお腹を満たすこともできず、どうにかしてお金を稼がねばと意気消沈していたイレイナ。そんな彼女の足元に「超短期間働ける魔法使い募集」の広告が飛んできたことが今回のエピソードの始まりだ。

　早速その話を聞いてみようと、依頼主の元に訪れたイレイナ。依頼を出していたのが薫衣の魔女、エステルだった。彼女はイレイナよりも1年先に魔女になったらしく、その経歴にイレイナは対抗意識を見せる。自分は見習いから魔女になるまでエステルより早いとマウントをとるあたりは、いつも通りのイレイナである。

　イレイナは出来ることなら働かずして金を得たいと考えているようだが、そんな楽な話はない。けれど、このエステルの依頼は成功報酬で袋いっぱいのお金をもらえるという見るからに怪しそうなもの。

　恐る恐る仕事内容を聞いてみると、彼女はこの町に伝わる事件について話し始める。それは「2丁目殺人鬼」というこの町では演劇や本にもなっている実際にあった話だという。

　10年前に2丁目にある金持ちの家に強盗が入り、その家の両親がめった刺しにされ殺されてしまったという。その際にセレナという一人娘は買い出しに出ていた為に無事だった。だが、その後叔父に引き取られたセレナは虐待を受けていたという。そんな生活を余儀なくされたセレナは人を、世界を憎むようになり、後に叔父をめった刺しにして姿を消したのだという。　これが、2丁目殺人鬼のあらましだ。

　このセレナというのが2丁目殺人鬼の正体で、エステルの幼馴染だったというのだ。姉妹のように育ったが、エステルは魔法を学ぶために留学をしなければならなく、戻ってきた時にはセレナは人を殺す快楽を覚えてしまった後だった。

　そして、3年前にセレナは捕まり処刑されたという。つかまえたのも処刑を行ったのもエステルなのだそうだ。本当は助け、償うチャンスを与えたかったが国王の命令は絶対。どうすることもできなかったのだ。

　この話がいったい、今回の依頼と何の関係があるのかと思ったが、エステルは10年前にいくのに、イレイナについてきてほしいというのだ。これが、彼女の依頼内容である。

　時を遡る魔法を研究していたエステルは、10年前に戻り強盗がセレナの両親を殺すのを阻止したいのだという。

　だが事情はわかっても過去に戻る手段がわからないイレイナ。さらにそこに自分が同行する理由もわからない。その理由は、この過去に行く魔法を完成させるだけでかなりの魔力を消費してしまったエステルは、このままだと過去に行った時点で魔力が使えないほど消耗してしまう。そこで開発した指輪をイレイナにもつけてもらうことで、過去ではイレイナの魔力を共有することで魔法を使う事が出来るのだ。

　理由も方法もわかったことで、イレイナは改めて過去に向かうことを賛同。早速過去に向かうことに。エステルの魔法は無事成功し、10年前にタイムスリップすることが出来た。だが、タイムリミットはたったの1時間。この1時間でセレナの家に現れる強盗を止めれば目的は達成されるのだ。

　エステルの魔法では、過去に干渉しても未来が変わることはないらしく、自分たちが目的を達してもエステルが戻る未来ではセレナが処刑されたままの世界であることには変わらないらしい。それでもエステルがここまでして過去を改変したいというのは、ここで変えた過去はそこから新たな未来が生まれるという。どこかの世界で、セレナが生きている未来があればそれでいいのだ、という。

　過去の世界でセレナの家に向かう途中、エステルは買い物に向かうセレナを発見する。いてもたってもいられず、エステルはセレナを抱きしめてしまう。かなり不審者として疎ましがられたが、エステルはまだ殺人鬼になる前の大好きだったセレナにあえて益々やる気を出したようだ。

　さっそくセレナ宅に出向き、両親を適当な理由をつけて呼び出し避難させる。イレイナは家の前で強盗がくるのを待ち伏せすることに。だが待てど暮らせど強盗はやってこない。すると指に着けた指輪がイレイナの魔力を吸い取っている。これはエステルが魔法を使っていることを示している。

　これはエステルが別の場所で強盗と遭遇し、戦っているのでは、と思い魔女相手に強盗が勝てるはずもないと高を括ってゆっくりと指輪が指し示す方へと向かっていった。

　しばらくすると魔法が途絶えたことから戦いが終わったのかと思い現場に到着したイレイナの目に入ったのは想像もしなかった光景だった。

　イレイナの目の前には、セレナの両親、そしてエステルが血だらけで転がっている姿。そしてその中にナイフを片手に口元を血まみれにして立っているセレナだった。その姿を見てイレイナは即座に、思い描いていた前提が間違っていたことを知る。元々強盗などおらず、セレナの両親を殺したのはセレナだったのだ。

　セレナはイレイナの姿を見ると、彼女をも殺そうかとする。イレイナはなぜこんなことをしたのかと尋ねると、ずっと両親から虐待を受けていたことを告白する。仲のいい家族を演じる壊れた家で、だったら殺してしまおうと思ったのだそうだ。

　セレナはイレイナが未来から来たということをきくと自分は未来でどうなっているのかと尋ねてきた。未来で親友に殺される、というとセレナは今ここで倒れているのがエステルだということに気付き、彼女を足蹴にする。そしてとうとうイレイナにむかってナイフを振り上げる。

　だがエステルが意識を取り戻し、その攻撃を阻止する。エステルは自分がずっとセレナに騙されていたというショックで何故、どうして、とセレナに強烈な攻撃を続ける。

　元々サイコパス的なところがあったらしいセレナはそれでも笑いながらケタケタとわらう。イレイナはそれを止めようとするがエステルにイレイナの言葉は届かない。指輪を外せば自分の魔力は供給されないのでは、と思ったイレイナは指輪を外すが、それでもエステルの魔法の力は止まらず、現世と同じようにエステルはセレナの首をはね、彼女の命を奪ってしまう。

　そのタイミングでタイムリミットの鐘が鳴り、二人は元の時代に戻ってくる。だが、エステルは戻ってきたときにはセレナのことを記憶からなくしていた。

　最後に彼女の首を刎ねた魔法は、魔力が足りない際に何かを犠牲にして得た魔力だったのだ。その何かとは、セレナの記憶だったのだ。

　イレイナは記憶をなくしてぼんやりとしたエステルにかける言葉もなく、彼女のもとから飛び出してしまう。

　報酬の金も受け取らず、ただただ、自分には何もできなかったと、涙をこぼした。いつも自分は旅人だからと余計な干渉を好まないイレイナだったが、今回は干渉できなかったことで、止められなかったことを強く悔いているようだ。この出来事が今後のイレイナに大きく影響を与えるのだろうか。

　かなり衝撃的なエピソード、次回がくだらない話だと落差がやばいと思うが、どんな話をもってくるのかに期待がかかる。