TVアニメ『魔女の旅々』本音ばかりの世界は生きにくい?第6話

TVアニメ『魔女の旅々』公式サイトより

 嘘がこの世から亡くなって本音ばかりが溢れたら……。考えると空恐ろしい。本音だけが美しいとは限らないということは、生きていれば人は誰もが痛感することだろうが、今回イレイナが訪れた国は嘘をつくことができない、正直者しかいない国にたどり着いた。

 地図とは名前の違う国「正直者の国」にたどり着いたイレイナ。なんでも半年前に国名が変わったのだという。あまりにもそのまますぎる国名に戸惑いを隠せない。なんでもこの国に入ると嘘がつけない体になってしまうという。国王が持つ剣の力によって結界が張り巡らされており、たとえ魔女であっても嘘をつくことはできないのだそうだ。

 半信半疑で入国することに決めたイレイナ。衛兵たちも「クソみたいな国」と正直に言ってしまう正直者の国はどんな場所なのか。

 入国してまずやってみるのは、本当に嘘がつけないかどうかのテストだ。イレイナは自分が「美しくない」と口に出してみるが、それは嘘だと思っているので「美しい」と言ってしまう。この実験のおかげで本当にこの国では嘘がつけないということが証明された。

 だが、納得してあたりを見回してみると、なんだかこの国はやたらと静かだということに気付く。観察してみると、住民たちはお互いに言葉を交わしていないようだ。商品の売買だったりコミュニケーションが必要なことは全てジェスチャーだったり指さしや文字を書いたりして行っている。
 
 イレイナも焼きたてと言われて購入したパンがパサパサだったりと、正直者の国と名乗るだけあって清らかな人々が生活していると思いこんでいただけに、このギャップに戸惑いを覚える。この国は皆、よそよそしく殺伐としているようだ。

 イレイナはどうして国王はこのように国を変えてしまったのか疑問を持ち始めた。

 そんなイレイナの前に、スケッチブックを持った女性が現れた。彼女は話せないようでそのスケッチブックには「魔法統括協会から来た魔女様ですね?」と書いてあったが、イレイナはただの旅の魔女である。

 魔法統括というのは魔法と名乗りのつくものに首を突っ込んでくる謎組織らしく、所属している魔女は月をかたどったブローチをしているそうだ。

 勘違いだったことを悟った女性が去った後、イレイナは紙に書いた嘘はどうなるのかに興味を持ち、試してみることに。だが紙に描いたとしてもやはり嘘はつけないようになっているらしい。かなり徹底している。

 街の中が俄かに騒々しくなったと思ったら、本音をぶつけあった末に殴り合いの喧嘩が始まっていた。嘘がつけないのでお互いが本気でぶつかり合っている。周りの住民はしゃべらないまでもその喧嘩を楽しそうに見ていた。イレイナは喧嘩を止めないのか、と野次馬の一人に聞いてみるが、こういった喧嘩はむしろ住民たちのストレス発散になっているのだそうだ。

 どんどんエスカレートしていく喧嘩。それを止めたのは上空から現れた魔女だった。昼間から殴りあいはダメだ、と魔法をつかって二人の殴り合いを止めにはった魔女だったが、イレイナの姿を発見して、彼女の動きは止まってしまう。
 
 彼女は過去、別の国で会った魔女見習いになりたいといっていたサヤだった。立派に魔女になったサヤは、イレイナから譲り受けた帽子をかぶり一人前の魔女となり今は炭の魔女と名乗っているようだ。

 憧れのイレイナに再会できたことでテンションが上がるサヤ。ちょっとやばいくらいにイレイナ好き好き状態でアピールを始める。炭の魔女というのもイレイナの灰の魔女に近いものにするために選んだそうだ。

 今はイレイナのように旅をしながら魔女をしているようだが、お金を稼ぐために統括協会にはいって依頼をこなしているという。

 この国に来たのも依頼があったからのようだが、依頼者の住所も名前も記載がなかったらしく途方にくれていた。

 イレイナは先ほど自分を統一協会の魔女と間違えた女性の元にサヤを連れていき、流れで一緒に話を聞くことに。依頼してきた女性の名前はエイヘミア。彼女も魔女だそうだ。王宮で働いていたが、王から家臣はウソツキばかりで本音で語り合える部下がほしいと頼まれ、王の事が好きだったエイヘミアは結界を張ることを思いつく。

 適当な剣を依り代に結界を張ろうとしたが、それには膨大な魔力が必要で彼女は自分の声を代償として使い、剣に結界を込めた。

 王がこの剣を右手もに持つと結界が発動し、嘘がつけない国になった。だが、この結界に魔力の全てを込めたことで、エイヘミアは魔法使いとして役に立たない、と王宮から追い出されてしまい今に至るという。魔法が無くても側においてもらえると思っていたらしいが、とんだ計算違いだったようだ。

 彼女の声を取り戻し、この国の結界を解くには、王様の剣を破壊すればいいらしい。だが王様にそう簡単に対面することは難しい。一か月後に王の演説があるというが、一か月は長すぎる。一か月ある間にサヤから身を守れる自信ないイレイナは、どうにかして王宮に入れないかと思案する。嘘がつけないこの国で、口実をでっちあげて中に入ることは難しい。頭を働かせ、イレイナはエイヘミアのもっていたスケッチブックに目をつけそれを利用して中に入ることを決める。

 それはそれぞれ意味の異なる言葉を一枚ずつの紙にかき、それを門番に見せることでまるで王から許可をもらっているように感じる手法だった。このおかげでスムーズに中に入れた三人は王がいるはずの王座の間へと進む。

 王様に対峙するとその剣を渡せというが、勿論簡単に剣を渡してくれるはずはない。あっという間に衛兵を呼ばれてしまい、小競り合いが起きてしまう。戦いはサヤに任せ、イレイナは王を説得することに。 

 王は自らの政策に絶対の自信を持っており、嘘をなくしたことでこの世はよくなったという。だが、嘘がなくなってこの国がぎすぎすして見えること、いい嘘がこの世には存在しそのいい嘘が潤滑油のような役割を果たしていることを熱弁する。

 それでも抵抗する王から剣を取り上げ、あっという間に破壊してしまうイレイナ。剣をこわしたことで結界は破れ、エイヘミアに声と魔力が戻る。

 エイヘミアは自分の政策が間違っていたのか、と苦悩する王に、正直でありたいという気持ちは間違っていない。嘘をついたりつかれたりをしながらこの国を治めればいいのだ、と彼の手を取った。

 国王はその後、自分の非を認め嘘をつけない国にしたことを詫びエイヘミアも王宮に復帰した。その後のことはイレイナも知らない。

 イレイナとサヤもこの国を立つ際に、再度別れることになった。いつかイレイナにあったらプレゼントしようとしたものを購入したせいで金欠になり、今回の依頼を受けたというサヤは、イレイナにお揃いのネックレスをプレゼントし、二人はまたいつかどこかで再会する約束を交わし、それぞれの旅路へと進んでいった。

 こうやって出会いと別れが描かれるからテレビアニメシリーズで旅系の作品は趣深くなる。再登場しそうなキャラクターはまだそこまで多くないかもしれないが、これから新たに登場する人たちと出会い別れ、再会するのを一緒に楽しんでいきたいものだ。

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